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バイオリニスト・山根一仁インタビュー
バイオリニスト・山根一仁インタビュー

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年4月14日(水) 13:33

コロナ禍は「大好きな旅行ができないことがきつい」。「モーツァルトは『旅をしない音楽家は不幸だ』と言ったそうですが、旅を通じてたくさんの経験を重ねていきたいと思っています」=横浜市内(撮影・花輪久)

 バイオリニストの山根一仁が5月16日、県民ホール(横浜市中区)で開催されるコンサートに登場する。神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共に披露するのはメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲。数あるバイオリン協奏曲の中でも知名度が高い名曲だが「今の自分がベストだと思える演奏をその日に披露したい」と力を込める。

 神奈川芸術協会が主催する「華麗なるコンチェルト・シリーズ2021 特別版」の第1回として開催される今回のコンサートには、山根を含めた3人の人気ソリストが登場。チェリストの伊藤悠貴はドボルザークのチェロ協奏曲、ピアニストの及川浩治はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏する。超有名曲に、それぞれのソリストがどうアプローチするのか注目が集まる。

 メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲は、誰もが一度は耳にしたことのある冒頭の旋律が印象的だ。「初めてレッスンで演奏した時も、すでに楽譜を見ないでも弾けるくらい体に染み込んでいた。先生にはきちんと楽譜を見なさいと怒られましたが」と笑いながら振り返る。滑らかな2楽章は「言葉を紡ぐようなイメージ」、リズミカルな3楽章については「楽しくて、いつも飛び跳ねるように演奏している」という。

 演奏頻度の高い楽曲は手あかの付いた表現になってしまう危険性をはらんでいるが「いつも真っさらな気持ちで楽譜に向き合うことで、何か新しいことを見つけたり、感じられないかと思っている」とその心構えを語る。豊かな感性と卓越した技術に支えられた音楽づくりで「次世代を担うバイオリニスト」との呼び声も高く、「練習時は作曲家と同化するくらいまでとことん準備しますが、本番で自然と出てしまうのがバイオリニストの個性なのだと思います」と表現者としての表情を見せた。

 2010年、横浜市立豊田中学校在学中に第79回日本音楽コンクールのバイオリン部門で1位を獲得後、国内外のオーケストラと共演を重ねてきた山根。県民ホールは高校1年の春に初めてオーケストラと共演した思い出の場所だ。「僕にとって、協奏曲の理想は室内楽の延長線上にあるもの。今回共演する神奈川フィルも、音の変化に機敏に反応して下さるオーケストラなので共演が楽しみです」とコンサートへの期待を語る。

 現在はドイツ国立ミュンヘン音楽大学に留学中。クリストフ・ポッペンの下でバッハの音楽や、演奏における感覚と論理のバランスを学んでいるという。「静かな街並みや緑豊かな環境も気に入っています。昔の作曲家たちがインスピレーションを得たであろう美しい自然を感じながら、自分の音楽を深めていきたいですね」(太田 有紀)

華麗なるコンチェルト・シリーズ2021 特別版

公演日・開演時間:5月16日、午後2時
会場:県民ホール
席種・料金:全席指定、S席7500円など
問い合わせ:神奈川芸術協会、電話045(453)5080

 
 

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