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神奈川フィル常任指揮者
川瀬賢太郎が最後のシーズン ブルックナー楽曲に挑む

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年3月31日(水) 14:18

印象に残る公演の一つは2015年のレスピーギ「ローマ三部作」。「オーケストラも僕も、スポーツでいう『ゾーン』に入っていた。あんな経験はめったにありません」=東京都内(撮影・立石祐志)

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団を率いる川瀬賢太郎が常任指揮者として最後のシーズンを迎える。2021年シーズンのプログラム発表会で「最後まで、多くの人に音楽の魅力を伝えたい」と語った通り、今年も意欲的なプログラムを準備。シーズンの開幕となる定期演奏会では、自身初となるブルックナーの楽曲に挑む。長年憧れだったという作曲家にも「これまで関係を築いてきた神奈川フィルとなら挑戦できると思った」と意欲的な表情を見せる。

 4月17日に演奏するのは、米国人作曲家ケビン・プッツが01年9月11日の米国同時多発テロ事件にインスピレーションを受けて作曲した交響曲第2番「無垢の島」と、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。

 日本初演となる「無垢の島」は、穏やかな暮らしが突然テロによって打ち砕かれる苛烈な展開の後、魂が浄化されるような美しい場面で幕を閉じる。一方でブルックナーの作品は、天上の世界を想像させる荘厳な雰囲気で始まるが、第3楽章では農民たちの日常も描かれ「無垢の島」との共通性を感じさせる。「2曲とも、神々しさを感じさせる変ホ長調の楽曲。傷ついた魂の行き着く先に、ブルックナーの世界があるというイメージです」。現代音楽と組み合わせることで、ブルックナーに新しい光を当てることも狙いの一つだ。

 7月10日の定期演奏会では、サンサーンスの組曲「動物の謝肉祭」、プロコフィエフの交響的物語「ピーターと狼」、ショーソンの交響曲を披露する。「ショーソンの交響曲はあまり演奏されませんが、ぜひ紹介したかった。前半は動物が登場するカラフルなプログラムなので、子どもたちにも楽しんでもらえたら」。「ピーターと狼」のナレーションは松尾由美子だ。夫婦共演については「母親になった彼女が息子に読み聞かせするのを見ていて、自然な流れでお願いすることになった。息子にも両親が共演するところを見せられるかな」とほほ笑む。

 14年に29歳で就任した常任指揮者の任期も22年3月まで。クラシックの定番ではない楽曲にも積極的に取り組み、オーケストラに新しい風を吹き込んできた。「〝変わった〟曲でもお客さんが驚かなくなってきたし、組み合わせを楽しんでもらえるようになったと思う」と手応えを語る。7年にわたり情熱を注いできた音楽作りは同楽団を国内でも指折りの人気オーケストラに押し上げ、川瀬自身も多くの楽団から客演依頼を受けるようになった。「指揮者として多感な時期に濃い経験を積ませてもらった、貴重な時間でした」

 名古屋フィルハーモニー交響楽団やオーケストラ・アンサンブル金沢でもポストを持つ川瀬。地域に音楽を届ける効果的な方法は、土地によって違うと力を込める。「神奈川に適した方法も模索し続けている。今後も地域と向き合って、考え続ける指揮者でありたいと思っています」(太田 有紀)

【定期演奏会第367回】県民ホール、4月17日午後2時開演。全席指定、S席6千円など。

【定期演奏会第370回】カルッツかわさき、7月10日午後2時開演。全席指定、S席6千円など。

 問い合わせは神奈川フィル事務局、電話045(226)5045。

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