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【シネマ散歩】
【太陽は動かない】心臓に爆弾抱える緊張感

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年3月5日(金) 05:00

 5日から109シネマズ港北などで上映。

 心臓に小型爆弾を埋め込まれ、常に死の危険が迫る秘密組織の要員が、巨額の利権が絡む情報戦に挑む。冒頭から観客を引き込む大規模なアクションと緊張感のある展開が見どころだ。

 ニュース配信会社を装うAN通信。実は国や企業などの極秘情報を売買する秘密組織で、所属するエージェントは24時間ごとに連絡を入れないと、胸に埋め込んだ起爆装置が発動する。

 トップエージェントの鷹野(藤原竜也=写真左)と田岡(竹内涼真=同右)は、何者かに拉致され、爆発の刻限が迫る同僚の山下(市原隼人)を救うため、ブルガリアへ飛ぶ。

 山下が追っていたのは、次世代エネルギーの実用化に関する情報だった。謎の女AYAKO(ハン・ヒョジュ)や、鷹野と因縁のあるデイビッド・キム(ピョン・ヨハン)ら各国のスパイが現れ、激しい争奪戦が始まる。

 冷静な鷹野を藤原が熱演。竹内は迷いのある田岡の若さを繊細に演じた。吹き替えなしというアクションも素晴らしい。鷹野らが要員になった背景には、生い立ちに関わる人間ドラマがあり、娯楽大作に深みを与えている。

 ブルガリアでの大々的なロケと相まって、韓国人俳優の起用が国際性を実感させる。特に、強靱(きょうじん)さと洗練さを併せ持つキムに扮(ふん)したピョンがいい。甘いマスクと女性に弱い一面は昔ながらのスパイのイメージを体現。硬軟自在の演技で魅了する。

監督/羽住英一郎
製作/日本、1時間50分

 
 

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