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日本のオペラの創造と普及を理念に活動する劇団
オペラシアターこんにゃく座 記念公演の第1弾上演へ

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年2月17日(水) 18:35

オペラ「森は生きている」の一場面(2012年、大石哲史演出)

 「日本のオペラの創造と普及」を理念に活動する劇団「オペラシアターこんにゃく座」(川崎市多摩区)が創立50周年を迎え、記念公演の第1弾として「森は生きている」(林光作曲)を都内で上演する。コロナ禍で先行きに不安を抱える中、「こんな時だからこそ幻想的な異世界を楽しんでほしい」と音楽監督の萩京子。幅広い世代にオペラの魅力を届けようと、変わらぬ熱意で創作を続けている。

 ロシアの児童文学者サムイル・マルシャーク原作(湯浅芳子訳)の本作は、1992年の初演以来上演を重ねる劇団の代表作。今回は新演出・オーケストラ版として、劇団俳優座所属の眞鍋卓嗣が演出を担う。

 新年を前に、春に咲くマツユキソウを望んだ女王のため、森に探しに出された娘が12人の月の精と出会う。冬の森はたちまち春へと変わり、花を咲かせるが…。

 季節の変化を音楽を通じて感じられるのが本作の魅力だと萩は言う。「独唱の美しさ、合唱の力強さといったオペラの醍醐味(だいごみ)が詰まっている。冬の寒さから春に花開くまでの季節の移ろいが音楽で立ち上るさまにも引き付けられます」

「日本の新しいオペラ作品を上演するこんにゃく座が途絶えてしまうのは惜しい」と、活動の継続を目指す萩京子=川崎市多摩区

 演劇と音楽が対等に手を携え、観客と共に一つの舞台空間をつくり出す。それこそが劇団が追求してきたオペラの形だ。「音楽の素晴らしさと演劇的な面白さが合わさって多彩な表現が生まれます」。本作もその体現を目指す舞台となる。

 劇団の母体は「こんにゃく体操クラブ」と呼ばれた東京芸術大学内の学生サークル。華やかな劇場や舞台装置を伴うなど、格式高い印象があるオペラをより身近な芸術として親しんでほしいとの思いで71年に活動を始めた。当時の団員は8人。大型バスを購入し、「見てくれる人のために自ら出掛ける」をポリシーに学校やホールなど全国各地を巡回した。

 宮沢賢治、ブレヒト、夏目漱石など多種多様な題材を基に60以上に及ぶ日本語オペラを手掛けてきた。年間公演数は200超だが、昨年は新型コロナウイルスの影響でその半数が中止となった。今は全国からの寄付に支えられて活動を継続しているという。

 「大勢の人にオペラを見てもらいたいという、活動そのものが問われてしまった」と萩。劇団のあり方を日々模索するが、「生の舞台を見てもらうことを大切にする姿勢は変わらない」と前を見据えている。

 不安にさいなまれ、息が詰まるコロナ禍だからこそ果たせる舞台芸術の役割があると信じる。「劇場に足を運び違う世界に身を置く体験は、心身を豊かにする大切なひとときでもあると思うんです」

 そんな舞台となることを願いつつ、あらためて本作の見どころを語った。「一つ一つの役が浮き立つ演出で、どの年代の人が見ても楽しめる要素に満ちています。季節を音で感じながら、オーケストラによる厚みのある音色で特別な時間を過ごしてほしいです」

 19~24日に東京・世田谷パブリックシアターで上演。A席6千円など。問い合わせは同シアターチケットセンター、電話03(5432)1515。

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