【2021年2月12日紙面掲載】
フランスで実際に起こった「ヴィギエ事件」を基に、張り詰めた緊張感の中で真実を求めて繰り広げられる法廷劇。2000年2月、南仏で暮らす主婦スザンヌが3人の子を残して失踪。夫のジャックに殺害容疑がかかり、裁判が始まる。
疑惑が深まる中、シングルマザーでシェフのノラはジャックの無罪を信じ、弁護士の助手として膨大な電話記録を分析。刑事、妻の愛人、ベビーシッター。うそをついているのは誰なのか。
アントワーヌ・ランボー監督。1時間50分。MOVIX橋本で12日から上映。
!…仕事や息子という私生活を犠牲にしながら、真実の追求に打ち込むノラが真に迫る。
【痛くない死に方】在宅医の後悔と成長
【2021年2月12日紙面掲載】
自宅で死を迎えることを選択した患者とその家族、医療従事者たちの姿を描く。原作は現役の在宅医である長尾和宏の著書。
河田仁(柄本佑)は、開業医への近道として在宅医の仕事を選択するが、その多忙さから妻に愛想を尽かされ、仕事も事務的になっていた。そんな時に担当した末期の肺がん患者・井上に対して河田は丁寧なフォローができず、井上は苦しみの末に亡くなる。
在宅医療を選択したことを後悔する遺族の姿に、河田はショックを受ける。
高橋伴明監督。1時間52分。ムービルなどで20日から上映。
!…奥田瑛二演じる先輩医師の助言「人間を好きになれ」が最後まで心に残る。