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能声楽家の青木涼子が「能声楽奉納」を生配信

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年2月12日(金) 11:37

 能の謡を素材にした新しい楽曲の発表に取り組んでいる「能声楽家」の青木涼子。新型コロナウイルスの収束を祈願し、三渓園(横浜市中区)で行う「能声楽奉納」を、19日午後7時から動画投稿サイト「ユーチューブ」で生配信する。視聴無料。

 三渓園内の旧燈明寺本堂とドイツ・ケルンを結び、現地のオーケストラ「アンサンブル・ムジークファブリーク」のメンバーと、リアルタイムでリモート合奏を行う。「能は古くから神社仏閣で奉納されてきた。旧燈明寺という厳かな場で、お祈りするような気持ちで臨みたい」と青木。

 「人とつながれない状況だからこそ一緒に演奏したかったので、リアルタイムにこだわった」。欧州でのロックダウンが本格化した昨年5月から、欧州各地の音楽家と協力して同様の配信を行ってきた。

2019年9月、ドイツでアンサンブル・ムジークファブリーク、ペーテル・エトベシュと共演した舞台(撮影・Adam Janisch) 2020年12月、東京とオランダを結んで行った動画配信で謡う青木涼子(撮影・427FOTO)

 今回演奏する曲は、ハンガリーの作曲家で指揮者としても活躍するペーテル・エトベシュが、青木のために作曲した「くちづけ」。イタリアの小説「絹」をモチーフにしており、幕末に蚕を求めて来日するフランス人商人の物語だ。

 小説には三渓園を手掛けた原三渓が経営に関わった群馬の富岡製糸場を思わせる設定があり、三渓はもとより、絹の輸出で発展した横浜とも関わりが深い演目だ。

 能声楽とは青木が開拓した新しい音楽ジャンルで、アルトより低い地声でずっと歌う特殊な歌唱だ。東京芸大で能楽を専攻し、「勉強すればするほど面白い」と謡の魅力にはまった。

 これまでに19カ国、50人以上の作曲家とタッグを組んできた。口伝で体得する謡には西洋音楽のような楽譜がなく、ピッチやリズムを説明するのが難しいが、青木の声を「今までにない楽器と受け取ってくれる作曲家もいる」という。

 「伝統的な能は、男性のために長い間作られてきたもの。女性の声域を生かした新曲のレパートリーを増やして、世界でもっと謡の魅力を広めたい」と抱負を語った。

 
 

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