神奈川フィルハーモニー管弦楽団は2月27日、県立音楽堂(横浜市西区)で「第15回フレッシュコンサート」を開催する。地元ゆかりの優秀な若手演奏家に光を当てる恒例の企画。今回登場するのは、バイオリンの小島孝恵とピアノの尾城杏奈。ともに横浜市出身で「地元のプロオーケストラとの共演はとてもうれしい」と声を弾ませる二人に、自身が演奏するプログラムへの思いを聞いた。
2019年、第35回かながわ音楽コンクール中学生の部で最優秀賞と神奈川県知事賞(大賞)を受賞した小島が披露するのはモーツァルトのバイオリン協奏曲第3番。「モーツァルトらしい、明るくて面白い曲。特徴的なリズムが出てきたり、ふと影が感じられるところも魅力です」。ソリストとしてオーケストラと共演するのは初めてだが「音の厚みを味わいながら、自分らしい演奏をしたい」と意欲を見せる。
ロシア音楽が好きで、憧れの曲はショスタコービッチのバイオリン協奏曲。「打楽器が特徴的で民族音楽的な要素があるのも面白い」と目を輝かせる。現在は東京芸術大学音楽学部附属音楽高校の2年生。「他の楽器を演奏している同級生たちと一緒に学ぶのはとても刺激的で、常に新しい発見があります」と充実した学生生活を送っている。
20年度のピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリに輝いた尾城が選んだのはラベルのピアノ協奏曲。「色彩感にあふれた曲で、ずっと弾いてみたかった。繊細な和声感や華やかなオーケストレーションが魅力。楽団員の皆さんと一緒に音楽を作らせてもらうのがとても楽しみです」とほほ笑む。「家族や地元の友人の前で演奏できるのもうれしい。感謝の気持ちを込めて音楽を届けたいと思っています」
幼い頃から人前で演奏することが好きで「演奏する場を増やしたい」との思いから積極的にコンクールに挑戦してきた。「結果はあまり気にしていなくて、本年度のコンペでグランプリを獲得したのもまさかという思いだった。大変な状況の中で、コンペを開催してくれたという事がとてもありがたかったです」
今後の活躍が期待される二人に今後の目標について聞くと「ソロだけでなく、室内楽やオーケストラの一員としての演奏にも積極的に取り組みたい。人の心に残る演奏を目指しています」と小島。ドイツのバイオリニスト、クリスチャン・テツラフの表現に共感することが多いという。
ドビュッシーなどのフランス音楽に愛着がある尾城は「いつかフランスに留学できたら」と夢を語る。「自分の音を追求して、クラシック音楽ファンでない人にも、また聴きたいと思ってもらえるピアニストになりたいですね」
県立音楽堂、2月27日午後2時開演。全席指定3千円など。チケットは神奈川フ
ィル・チケットサービス、電話045(226)5107。
神奈川フィルが第15回フレッシュコンサート 県立音楽堂
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尾城杏奈さん [写真番号:456363]
小島孝恵さん [写真番号:456364]