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【シネマ散歩】
【燃ゆる女の肖像】強く美しい愛の証し

芸能 | 神奈川新聞 | 2020年12月4日(金) 10:00

(c) Lilies Films.

 4日からTOHOシネマズららぽーと横浜などで上映。

 映画史に深く刻まれる傑作が生まれた。立場の異なる2人の女性が恋に落ちる過程を描く「燃ゆる女の肖像」。スクリーンに広がる強く美しい愛の証しが、見る者の心を震わせる。

 舞台は18世紀、フランス・ブルターニュの孤島。海岸近くの館で、画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)と、望まぬ結婚を控えた貴族の娘エロイーズ(アデル・エネル)=写真=が出会う。マリアンヌは娘の肖像画を描くようエロイーズの母に依頼されてこの地にたどり着いたのだった。

 女性の自由恋愛も、自立も阻まれる時代の物語だ。見知らぬ男性との結婚を決められたエロイーズは、自らの定めを呪うように心を閉ざしている。マリアンヌもまた、同じく画家である父の名を借りなければ、展覧会の出展がかなわない男性優位の社会を生きる。そんな2人は引かれ合い、芸術や文学を通じて愛を育んでいく。

 劇中音楽を極力そいだ抑制の効いた演出が、役者の表現を際立たせる。打ち寄せる波、吹き抜ける風、揺らめく夜のたき火の音を背景に、その視線や体の動きで内なる感情を表出するメルランとエネルが圧巻の演技を見せた。

 肖像画の完成は別れを意味する。だが、2人が共有した時間は、抑圧から解き放たれた、自由で幸福に満ちたものだった。彼女たちの永遠の愛を確信するラストシーンが、目に焼き付いて離れない。

監督/セリーヌ・シアマ
製作/フランス、2時間2分

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