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神奈川フィル、12月末「第九」演奏会
深い音楽体験を届けたい 指揮者・鈴木秀美インタビュー

芸能 | 神奈川新聞 | 2020年11月26日(木) 15:07

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団は12月末、県内3カ所でベートーベンの交響曲第9番の演奏会を開催する。新型コロナウイルスの影響で多くの音楽家が活動を制限され、苦しんだ2020年。「今年は特に、第九の演奏会を開催できる事自体がとてもうれしい」と語る指揮者の鈴木秀美に、今回の演奏に懸ける思いを聞いた。

 鈴木と神奈川フィルは近年、ベートーベンの交響曲第3番「英雄」、第5番「運命」、第6番「田園」などで共演。いずれもオーケストラの底力を引き出した名演となり、多くの観客に深い感動を届けてきた。「毎回、よりよい演奏のために練習を重ねますが、本番では本番の風が吹く。その時にどう対応するかにオーケストラの特色が出てきます。神奈川フィルはとてもよく反応してくれて、期待を上回る演奏をしてくれました」とうれしそうにほほ笑む。「長年、共にベートーベンの音楽を作り上げる経験を積み重ねてきた。今回も、観客と演奏者双方にとって深い経験になるような音楽を届けたいと思っています」

 日本の年末の風物詩となっている「第九」は、ベートーベンの人生哲学「苦悩から歓喜へ」ともあいまってドラマチックな解釈を求めがちだが「ベートーベンの音楽は彼の苦悩をそのまま楽曲にした、というような単純なものではない」という。今回の演奏会でも曲自体と向き合ってディテールを掘り起こし、高い芸術性を感じてもらうことを目指す。「合唱がある第4楽章に注目が集まりがちですが、第1楽章から第3楽章もじっくり聴いてもらいたい。特に第3楽章の静かな部分に耳を傾けていると、自然とこれまでの日々を振り返るような気持ちになります。年末にふさわしいとされる一つの理由かもしれませんね」

 ソロを歌うのはソプラノの中江早希、アルトの布施奈緒子、テノールの中嶋克彦、バスの氷見健一郎。いずれも鈴木が信頼を寄せる4人だ。合唱は「コーロ・リベロ・クラシコ・アウメンタート」の28人。古典派の音楽を演奏する「オーケストラ・リベラ・クラシカ」を率いる鈴木の音楽活動を通じて集まったメンバーがそろう。「鍛錬を重ねた歌い手たちの歌声で、細部の美しさも感じてもらいたいと考えています」

 観客と生の音楽を共有するコンサートの多くが中止となってしまった今年の「第九」は「観客にとっても演奏者にとっても特別なものになると思う」とかみしめるように語る。「オンラインやCDで聴く音楽と、生演奏のコンサートは全く別のもの。そもそもオンライン上の演奏動画はクオリティーもまちまちだし、情報があり過ぎることは人間の想像力を退化させるんです」と言い切る。「コンサート会場で大勢の人と一緒に聴く、ということが音楽体験には重要な要素。ぜひ今こそコンサートに足を運んでもらいたいですね」

◆横浜みなとみらいホール(横浜市西区)、12月24日午後7時開演、S席7千円など
◆ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)、同26日午後2時開演、S席7千円など
◆藤沢市民会館(藤沢市)、同27日午後2時開演、1階席5千円など。
 チケットは神奈川フィル・チケットサービス、電話045(226)5107

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