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【シネマ散歩】
【おらおらでひとりいぐも】孤独の先にあるもの

芸能 | 神奈川新聞 | 2020年11月6日(金) 12:37

 6日から横浜ブルク13などで上映。

 夫に先立たれ、1人暮らしをしている75歳の女性の1年を描く。友人もおらず、子どもとも疎遠で単調な日々を送っていた主人公が、自分の心と向き合った先に新しい扉を開いていく。擬人化された「寂しさ」や「悟り」「どうせ」などが登場、音楽を巧みに使った心象風景の描写も楽しい。

 原作は63歳の新人作家として注目を浴びた若竹千佐子の同名小説。幅広い世代が共感した同作品は芥川賞と文芸賞を受賞している。

 不本意な婚約から逃げるように故郷を飛び出し、上京した桃子(蒼井優)は東京で出会った周造(東出昌大)と恋に落ちて結婚。子どもたちが独立し、夫婦水入らずの時間を過ごせるという時に、周造は亡くなってしまう。

 現在、家族がいなくなった家で暮らす桃子(田中裕子)=写真右=の日常は話し相手もおらず、趣味は地球46億年の歴史を調べること。そんなある日、部屋の中に「桃子の分身」だと言い張る3人の「寂しさ」が現れる。

 人生を振り返り「こんなはずではなかった」と涙する日もあれば、思いがけない人の優しさにうれしくなる日もある。寂しさとうまく付き合いながら楽しく生きる桃子を田中がチャーミングに演じており、東北弁の響きも切なく柔らかい。幸福感と不安の混じった蒼井の表情は物語の奥行きを感じさせる。「年を重ねるのも悪くない」と心が温かくなる作品。

監督・脚本/沖田修一
製作/日本、2時間17分

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