国の登録有形文化財に指定されている木造建築「金澤園」(横浜市金沢区)が2020年9月、カフェに生まれ変わった。往時の姿を色濃く残した日本の伝統美の中で、手作りのオムレツやタルトなどを提供し、老若男女問わず多くの人を魅了している。
金澤園は1916年に横浜(現・桜木町)で創業した料亭「満月」が前身。30年に名称を変えて現在の場所に移転し、旅館やレジャー施設を備えた観光拠点としてにぎわった。
昭和初期には与謝野晶子や高浜虚子が訪れた記録も残っている。
建物内にはステンドグラスやタイルで作られた風呂場などが現存し、飲食客は思い思いに見学を楽しめる。
カフェは初代のひ孫にあたる4代目が立ち上げた。留学先のヨーロッパで古い建築物を修繕しながら大切に使い続ける文化に触れたことをきっかけに、「地域交流の場になれば」と気軽に利用できるカフェだけでなく、マルシェやワークショップが開催できる貸し出しスペースとしての顔も持たせたという。
「歴史が息づく建物を保存しながら活用し、後世にしっかり残したい」と情熱を注いでいる。
カフェ金澤園:横浜市金沢区柴町46。シーサイドライン海の公園柴口駅徒歩5分。駐車場5台あり。午前10時半~午後3時。土日・祝日は午前8時半~午後4時。火、水曜休み(祝日は営業)。電話045(701)8664
癒やしの古民家 カフェ金澤園(横浜)
2階の大広間は4テーブルのみで大きな窓の外に広がる自然をめでながらゆっくりと食事ができる [写真番号:1140657]
梁がむき出しのレトロモダンな1階のカフェスペース [写真番号:1140658]
「オムレツ デミグラスソース」はパン、ポテト、ドリンク付きで1540円 [写真番号:1140659]
[写真番号:1140660]
[写真番号:1140661]
1929年に品川から移築した風情ある日本家屋。犬連れが利用できるテラス席も完備 [写真番号:1189590]