1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 文化
  5. LGBTQ映画の祭典「レインボー・リール東京」7月開幕

LGBTQ映画の祭典「レインボー・リール東京」7月開幕

文化 | 神奈川新聞 | 2022年6月21日(火) 19:47

「映画の世界は本当に自由。さまざまな境遇の主人公を身近に感じられます」と話す宮沢英樹さん(NPO法人レインボー・リール東京提供)

2022年6月21日神奈川新聞掲載

 LGBTQをはじめとした性的少数者を描く注目作を集めた「レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)」(NPO法人レインボー・リール東京主催)が、7月に開幕する。多様な性のありようが特別視されない唯一無二の空間を生み続けて30年。「誰もが気を許せるこの場を絶やすことなく提供し続けたい」と、代表の宮沢英樹さんは語る。

 国内外の新作を中心に上映する映画祭は、性的少数者か否かを問わず、多くの映画ファンに親しまれながら開催を重ねてきた。

 始まりは1992年、都内の研修室だった。およそ900人の観客が足を運んだ一方で、「いかがわしい」といった心ない声も寄せられた。同性愛者やトランスジェンダーを取り巻く環境が「今以上に厳しかった」と宮沢さん。性的少数者だと知られることを恐れながら来場する当事者も少なくなかったという。

 向けられる偏見の強さは、当時作られた映画祭のちらしからもうかがえた。「もう私たちは隠れない」との訴えが、A4サイズほどの紙に書き殴るような文字で記されていたという。「こうでもしないと自分たちが埋もれた存在になってしまう。そんな危機感を持っていた人が何人も映画祭に携わっていたんです」。後にスタッフとなり、ちらしを目にした宮沢さんはこう振り返る。

 LGBTQという言葉に対する認知度の高まりとともに、近年は当時よりも不安を抱かずに参加する観客が増えたと、宮沢さんの目には映る。一方、性的少数者を嘲笑(ちょうしょう)の対象にしたり、多様な性を想定していなかったりする言動は依然として日常生活やメディアに残り続けている。

 映画祭はその対極にある。スクリーンに登場するのは、さまざまなセクシュアリティーの人たち。性的少数者が当たり前に存在し、それを特別だと捉えない会場全体の空気が居心地のよさを生む。「ここに来れば、どんな性のあり方も差別せず、共に映画を楽しむ仲間がいるのを肌で感じられるんです」(宮沢さん)

 自身、ゲイ男性で、同じ立場の人と出会うことがない中で初めて触れた映画祭の空間は「夢のようだった」という。

 「今は個人でもスマートフォンなどで映画を見られる。でも、気を許しながら大勢の人と感動を共有できる機会はとても貴重です」と宮沢さん。来場を呼び掛けつつ、「このような場を必要とする人たちのためにも映画祭を開催し続けたい」と力を込めて語った。

個性光る長編10本上映

「アグネスを語ること」の一場面

 映画祭は仕事や学業と両立するボランティアが運営を支え、近年は5千人近い観客が参加している。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で初めて中止し、昨年は規模を縮小して開催した。30回目を迎える今回は県内外に住む15人が中心となって企画と運営を担い、感染対策にも注力する。

「沖縄カミングアウト物語~かつきママのハグ×2珍道中!~」の一場面

 上映作品はコメディーや青春映画など個性が光る長編10本。トランスジェンダーの歴史とその語られ方について再考を迫るカナダ・米国合作のドキュメンタリー「アグネスを語ること」や、戦後ドイツを舞台に、男性の同性愛を禁じた刑法を背景に繰り返し刑務所へと送られるゲイ男性を映したオーストリア・ドイツ合作の「大いなる自由」など力作がそろう。大半が日本初上映。

第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞した「大いなる自由」©FreibeuterFilm

 邦画では、両親にゲイであることを明かした男性のドキュメンタリー「沖縄カミングアウト物語~かつきママのハグ×2珍道中!~」、東京のゲイのホームパーティーを描く「ボクらのホームパーティー」の2作品を公開する。

文化に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

カルチャーに関するその他のニュース

アクセスランキング