1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 文化
  5. 地下から見る美しい光景

マエストロの音楽手帳
地下から見る美しい光景

文化 | 神奈川新聞 | 2021年11月14日(日) 19:00

なんとも魅力的なオーケストラピット!!

【2021年11月14日紙面掲載】
※川瀬賢太郎、神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者

 僕にとって今年の10月、11月はオペラ月間だ。この2カ月の間にモーツァルト作曲の「魔笛」とヨハン・シュトラウス2世が作曲した「こうもり」を指揮する(魔笛の公演は先日千秋楽を迎えました)。

 オペラの現場というのは総合芸術と言われるだけあって信じられないくらいの数の人間が関わっている。少なくともオーケストラだけの公演の約4倍の人々が一つの公演に向けて動いているのだ。

 オーケストラ、ソリスト、合唱団、指揮者、演出家だけでなく、副指揮者や合唱指揮者、演出助手、舞台監督に舞台監督助手、稽古ピアニスト、照明や大道具のスタッフに衣装、メーク、ヘアメーク…などそれぞれの役職をあげたらキリがないくらい大勢だ。稽古場のエネルギーの集合体といったらすさまじいものがある。全ての人間が一つの公演に向けて全身全霊をささげているのだ。

 さて、指揮者はオペラ公演になるとオーケストラピットという地下室のようなスペースから指揮することになる。ほとんどのお客さまはなかなかオーケストラピットに入る機会なんてないと思うので少し紹介したいと思う。

 オーケストラピットはステージから大体2メートルほど下にある。そんなに広いスペースでもないのでオーケストラの配置もステージで見るような配置ではない。管楽器や打楽器が横に来ることもしばしば。

 もちろんステージを見上げて指揮しなくてはいけないので首は痛いし、肩もこる。華々しいステージ上とは違い薄暗く何と言っても埃(ほこり)っぽい。オーケストラピットに入るとほぼ間違いなく喉を悪くする。ステージの声は時にはほとんど聞こえないこともありピットで指揮をするのは相当な慣れが必要だ。

 それでも僕はこの場所がたまらなく好きだ。地下から見る多くの歌手やスタッフたちの努力の結晶はとても美しい光景なのだ。多くの人に支えられて…というより多くの人たちと力を出し合って作っていくオペラの現場の魅力に川瀬は毎回ときめいているのでした。

マエストロの音楽手帳に関するその他のニュース

文化に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

カルチャーに関するその他のニュース

アクセスランキング