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文芸創作のいま
個人で各分野のコンクールに挑戦 神奈川大学文藝部

文化・科学 | 神奈川新聞 | 2021年11月10日(水) 13:31

力作が集まる部誌「燕雀」。バックナンバーも好評で、現在は完売している

 神奈川大学文藝部の創立は1940年。81年続く歴史の中で、プロの文筆家として活躍する卒業生も輩出しているという。現在は41人が所属し、創作の腕を磨き合っている。「本年度は部員が倍近くに増えたんです」と声をはずませるのは代表の津﨑淳司さん(人間科学部3年)。「昨年と比べて、オンラインで部活動を展開できる環境が整った。文芸創作は自宅で楽しめるので興味を持ってくれた学生が多かったようです」

 普段は音声通話アプリ「Discord(ディスコード)」をコミュニケーションツールとして活用し、批評会や読書会を開催。明治学院大学や獨協大学など、他大学の文芸サークルと共に制作する合同文芸誌「BROOM」にも参加するなど活動の場を広げている。毎年夏と冬に発行している部誌「燕雀(えんじゃく)」はコミックマーケット(同人誌即売会)で販売していたというが、大規模イベントが難しくなった昨年は発行を年1回とし、大学の有志によるオンラインイベント「神大フェスタ」のホームページ上で作品を公開した。「今年も何らかの形で部誌を公開したいと思っています」

 部員が好むジャンルは多種多様。お互いから刺激を受けつつ、個人で各分野のコンクールに挑戦しているという。「安部公房さんに憧れる」という副代表の三浦庸平さん(経済学部3年)が取り組むのはSF作品だ。「オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』のような、世界観がひっくり返るような作品が好き。長編に取り組んで、出版社などが開催するコンクールにチャレンジしています」

 ゲームのシナリオに興味があるという津﨑さんもライトノベル系の文芸賞に挑戦し続けている。「入賞できなくても、プロのコメントをもらえるので勉強になる。鎌池和馬さんの『とある魔術の禁書目録』のように、単独でも面白い場面が後の伏線にもなっている作品を書きたいです」

 「卒業後も創作を続けたい」と声をそろえる2人。「死ぬまで言葉をつづり続けられる人間でありたい」と語る三浦さんは「書くことで、自分がいま立っている位置を把握できる。文芸を通じて、仲間と共に学び合える場に感謝しています」と充実した部活動について語った。

 「文芸創作のいま」では県内で文芸創作に励む若者たちを紹介していきます。

 
 

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