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文芸創作のいま
先輩と後輩が共に高め合う 県立麻生高校

文化・科学 | 神奈川新聞 | 2021年11月9日(火) 15:12

後列左から時計回りに、前田さん、岸部さん、関野さん、田中さん、尾藤さん、陰山さん=麻生高校

 県立麻生高校(川崎市麻生区)の文芸部は現在6人。「文化部のインターハイ」とも呼ばれる全国高等学校総合文化祭では2011年度から19年度まで連続で県の代表に選ばれているほか、全国高校生創作コンテストなどでも多くの賞を獲得。自作の詩を交互に読み上げ勝敗を競う「高校生『詩のボクシング』神奈川大会」では5度の優勝に輝いている。

 部長の尾藤美良乃(みらの)さん(3年)は、19、20年度に俳句で高校文芸コンクール高文連会長賞を連続受賞。小説(19年度)と短歌(20年度)でもそれぞれ佳作に選ばれている。「先輩たちが親身にアドバイスをくれて、創作の面白さを知った。大学では日本文学を学んで、書籍に関わる仕事をしたいです」と目を輝かせる。

 同コンクール(20年度)の詩で高文連会長賞を受賞した岸部小春さん(2年)は、日常の中で心が動いた瞬間をスマートフォンに書き留めているという。「夕焼けを見ながらミルクティーを飲んでいる情景など、何気ない場面を詩にするのが好きです」

 これまで部員が執筆した作品はデータで蓄積・共有されており、お互いの作品を読み合うこともできる。顧問の神谷光信教諭は「先輩と後輩が共に高め合う良い雰囲気があり、卒業生と在校生が一緒に歌会をするなどの交流もあります」と文芸部の伝統について語る。コロナ禍で中止になってはいるが、夏には自然科学部と共に生田緑地でホタル観賞をするのも恒例行事だったという。

 現在は、18日に開催される同校の文化祭で発行する部誌の仕上げに全員で取り組む。共通テーマは「五感」だ。2年の前田和哉さんは洞窟壁画をモチーフに詩を執筆しており「詩は感じたことをストレートに表現できます」と手応えを語る。イラストが得意で部誌の表紙も手掛けている田中小都葉さん(同)は大正時代をイメージしたファンタジー小説を書いたという。「日本神話にも興味が出てきていて、今後知識を深めていきたいと思っています」

 自分の得意分野をそれぞれ深める部員たち。3年の陰山洋平さんは「創作でつながった仲間と会話する時間はとても充実した時間でした」と部活動で過ごした期間を振り返る。「小説家になるのが夢」という関野実優さん(1年)は「社会派小説からミステリー作品まで、さまざまなジャンルに挑戦したい。文芸部に入りたくてこの高校に入ったので、先輩たちに学びながら文章を磨いていきたいです」と今後の意気込みを語った。

 
 

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