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文芸創作のいま
細部の描写にこだわり腕磨き合う 神奈川工科大学

文化・科学 | 神奈川新聞 | 2021年10月18日(月) 12:09

後列左から時計回りに、倉島さん、山﨑さん、錦織さん、鈴木さん、齋藤さん、堀内さん=神奈川工科大学

 神奈川工科大学(厚木市)文芸部のメンバーは現在6人。ファンタジー、恋愛、戦争ものなど、各自の得意ジャンルは異なるが、年1~2回発行する部誌の制作や批評会を通じて創作の腕を磨き合っている。

 新型コロナウイルス感染予防のため部室を使用できない現在は、音声通話アプリ「Discord(ディスコード)」をコミュニケーションツールとして活用。8日、数カ月ぶりに大学の教室を借りて開催された定例会では、部長の齋藤健太さん(情報学部3年)の作品の批評が行われた。

 作品の舞台は近未来の日本。中古の家庭用アンドロイドに、亡くした恋人の面影を見いだす男性の物語だ。理系の大学らしく、細かく作り込まれたシステムの設計にリアリティーがある。部員からは「表現が重複している」「この行動の意図がわかりづらい」など具体的な指摘が寄せられた。

 「文芸に興味があった訳ではないけれど、自由な先輩たちの雰囲気にひかれて入部した。それでも結果的に書く力が鍛えられました」と齋藤さん。同じく大学入学後に小説に興味を持つようになったという山﨑優祐さん(同3年)も「独学では分からなかった、小説の書き方を学べたことに感謝しています」と声を合わせる。

 大学からの部費で辞典や画集などの資料も購入できるため、作品の時代背景や人々の服装など細部までこだわった創作ができることも魅力だ。「個人では買えない資料もみんなで共有できるのでありがたいです」と語るのは創造工学部4年の錦織龍介さん。情報学部4年の堀内健太郎さんも「中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジー作品を書いているのですが、その時代についての学びを深めることができました」と活動を振り返る。

 高校時代から小説を書いていたという鈴木琴美さん(工学部3年)は、大好きな住野よるさんの作品以外にも映像作品などから刺激を受けて小説を執筆。「部誌という形になることもうれしいし、仲間から意見をもらえることが新たな発見につながります」と充実した表情を見せる。「入部してからオンラインでしか会えていなかったけれど、楽しい先輩たちで良かったです」と語るのは同1年の倉島尊さん。「短編から始めて、いずれは長編に挑戦したいですね」

 
 
 
 

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