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横浜で恐竜科学博 企画、監修に「恐竜くん」

文化・科学 | 神奈川新聞 | 2021年7月1日(木) 16:36

イラストレーション・恐竜くん(©masashi Tanaka)

 恐竜の生態をリアルに紹介する「Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~2021@YOKOHAMA」が、7月17日からパシフィコ横浜(横浜市西区)で始まる。企画、監修を務め、「恐竜くん」として活動するサイエンスコミュニケーターの田中真士(まさし)は「生き物としての恐竜が見られる画期的な展示」と話す。

 白亜紀(約1億4500万年~約6600万年前)に存在したララミディア大陸は、現在のアラスカからメキシコにかけて、米大陸西側一帯に相当する細長い大陸。白亜紀終盤に北米大陸ができるとともに消滅した幻の大陸で、数多くの恐竜の化石が発見されている。

 今回はその大陸の中部に当たる海沿いの低地を舞台に、6800万年から6600万年前という限られた条件を設定した。

 「どんな植物が生えて、どんな昆虫がいたのか。四季はあったのか。そこにいた恐竜が目にしていた光景を、骨格標本や映像などで再現した」と恐竜くん。骨格や歯など約120点の標本が並ぶ。

 群れからはぐれた子どものトリケラトプスを主人公にした展示の一角では、ひょろひょろのティラノサウルスの子どもとの出合いなど、さまざまな生き物が登場する。過剰な擬人化はせず、全て科学的研究に基づく。

 「従来の恐竜展は分類が中心で、出合わないはずの恐竜が並ぶなど図鑑的な展示だった。今回は、ステゴサウルスのようにララミディアにいなかったものは、どんなに有名な恐竜でも並ばない」と笑う。

ゴルゴサウルスの頭骨と恐竜くん。コロナ禍の生活が日常となった子どもたちを心配し「人と接することや海外に出ることに消極的になってしまうかも。収束後はフォローしていきたい」と話す

 「科学がここまで恐竜の世界に迫れるのか、こんなに明確にイメージできるのか、と驚かされると思う」

 注目の化石は、ララミディア大陸で見つかった「レイン」と呼ばれるトリケラトプスの実物全身骨格だ。世界で唯一ほぼ完璧な形状を保って発掘されたトリケラトプスで、大変珍しい皮膚も残る。米国のヒューストン自然科学博物館から初めて国外展示される。

 恐竜くんは、恐竜の研究が盛んなカナダのアルバータ大で学んだ専門的な経験を生かし、恐竜に関する科学的な知識を広める活動を幅広く行っている。同科学博でも、自らイラストを描き、展示する全身骨格のポーズをデザインした。

 6歳のとき、上野の国立科学博物館で恐竜に魅了された。幕張メッセで開催された「大恐竜博」ではアルバータ州で発掘された恐竜を見て「ここに行くしかない」と夢中に。その勢いで16歳にして単身、カナダに渡り、大学で学んだ。

 「そのまま研究者になるつもりだったが、本当に自分がやりたいこととは違うと気付いた」といい、恐竜の魅力を人に伝えていく専門家の道を選んだ。

 だが、恐竜の知識だけを伝えたいわけではない。「何を考えて生きていくのか、これからを生きていく人々に考えてほしい。そのきっかけに恐竜がなれば」。恐竜を通して、生き物や自然、環境問題など世界のさまざまな側面に目を向け、自らが生きる意味を考えてほしいと訴えた。

 9月12日まで。土日・祝日と特定日(8月7~15日)は日時予約制。19歳以上平日2800円、中学生~18歳平日2千円、4歳~小学生平日1400円、土日・祝日と特定日は各200円増し。問い合わせは公式サイトの問い合わせフォームで。

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