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明治から大正初めの挿絵展示 鎌倉市鏑木清方記念美術館

文化 | 神奈川新聞 | 2021年3月23日(火) 05:00

清方が手掛けた文学作品の口絵が並ぶ一角=鎌倉市鏑木清方記念美術館

 明治から大正の初めごろまで、雑誌や書籍を飾った挿絵や口絵を紹介する「さしえ、華やかなりし頃」展が、鎌倉市鏑木(かぶらき)清方記念美術館(同市雪ノ下)で開催中だ。日本画家の鏑木清方や師匠の水野年方らの作品約50点が並び、物語の世界を情感たっぷりに表した挿絵や口絵を堪能できる。

 13歳で年方に入門した清方は、16歳で挿絵画家としてデビューした。25歳となった1903年、実力派の挿絵画家を起用していた文芸雑誌「文藝俱樂部」に初めて口絵を描いた。

 当時の多色刷り木版画の口絵は、繊細な色味の表現に多いときは何十も版を重ねるなど、手の込んだものだった。情感豊かに物語の世界を描いた清方の口絵は美しく、読者や作家からも好評を得た。

 清方は鈴木春信ら江戸時代の浮世絵師や、師の年方をはじめとする挿絵画家として活躍した武内桂舟(けいしゅう)、富岡永洗(えいせん)、梶田半古らを尊敬し、熱心に研究した。エッセーには「口絵でも、挿絵でも、ともに華やかな時代だった」とつづっている。

 会場に並ぶこうした挿絵画家らの口絵は、いずれも色数豊かで美しく、着物の柄や髪の生え際といった繊細な表現が見どころだ。

展示ライトがLED(発光ダイオード)に変わり、自然な色合いで鑑賞できるようになった=鎌倉市鏑木清方記念美術館

 口絵や挿絵は出版社の求めに応じたものだが、清方は自身の作品としても文芸作品に取り組んだ。連作「にごりえ」は清方が慕った作家、樋口一葉の同作を読み解いた墨画淡彩で、登場人物の心情がこまやかに表現されている。

 この連作は挿絵ではなく、手元で味わう「卓上芸術」として描いたもの。口絵や挿絵にも同様の魅力があり、どちらも区別せず、真摯(しんし)に向き合う姿勢がうかがえる。

 同館の小林美香学芸員は「清方が物語をどのようにそしゃくして作品にアウトプットしていたかが、よく分かる」と話した。

 1915年の文展に出品した「霽(は)れゆく村雨」が最高賞を受賞するなど画壇に認められ、清方は日本画へと活躍の場を次第に移した。出世作となった同作は関東大震災で焼失。びょうぶに仕立てた下絵を展示しており、風にあおられるハスの葉や春信風の女性像などを間近に鑑賞できる。

 4月11日まで。月曜休館。午前11時半と午後2時からの各30分間は換気のため一時閉館。一般200円ほか。問い合わせは同館、電話0467(23)6405。

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