1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 文化
  5. 横浜美術館など3館所蔵 20世紀西洋絵画120点紹介

横浜美術館「トライアローグ」展
横浜美術館など3館所蔵 20世紀西洋絵画120点紹介

文化 | 神奈川新聞 | 2020年11月30日(月) 12:46

マグリット作品が並ぶ一角。横浜美術館蔵「王様の美術館」(左)と富山県美術館蔵「真実の井戸」=横浜美術館

 横浜美術館、愛知県美術館、富山県美術館が所蔵する20世紀の西洋絵画約120点を紹介する「トライアローグ」展が、横浜美術館(横浜市西区)で開かれている。20世紀の西洋絵画史をたどりながら、コレクションの相違を比較するなど多彩な楽しみ方を提案している。

 3者による話し合いを意味する「トライアローグ」。3館の学芸員9人が話し合いを重ね、各館を代表する名品が集まった。

 見どころの一つは「アーティスト・イン・フォーカス」と名付けた企画。共通して所蔵する画家に着目し、画風の変遷や特徴を、各コレクションを比較することで明確にするものだ。

 パブロ・ピカソは生涯を通じた画風の変化で知られる。「青い肩かけの女」(愛知)は「青の時代」と呼ばれる初期の作品。「肘かけ椅子の女」(富山)は新古典主義の時代に当たり、写実的な表現を通して精神的な落ち着きが感じられる。

 シュールレアリスムの特徴が見られるのは、愛人をモデルにしたとされる「肘かけ椅子で眠る女」(横浜)。妻との不仲を示すような奇怪な容貌が目を引く。

 晩年の「座る女」(富山)はキュービスムの特色が濃く、変形された顔のパーツが複数の視点から描かれている。2番目の妻ジャクリーヌがモデルだ。

右の壁には各館のピカソが並ぶ=横浜美術館

 お互いのコレクションの不足を補うことで「点と点をつないで線にすることで、画業の変遷が浮き彫りになった」と横浜美術館の松永真太郎学芸員は語る。

 ドイツを代表する巨匠ゲルハルト・リヒターの幅4メートルにわたる大作「オランジェリー」(富山)は、鮮やかな色彩と躍動的な筆触を堪能できる。ドイツで行われる現代アートの国際展「ドクメンタ」に出品された後、1984年に富山で展示されたことをきっかけに購入された。リヒターの作品は高騰しており、現在では公立美術館が購入するのは厳しい。

 「3館に共通することだが、開館以降の同時代美術や若手の作品の収集が滞っていると感じた。リアルタイムに収集することが大事で、100年後に21世紀美術展を行うことができるかも」と松永学芸員。

 蔵屋美香館長は「コロナ禍によって、これまでのように海外から作品を借りて何十万人も来場するような展覧会を行うのは、今後難しいのではないかといわれている。国内の足元を見直してみると、こんなに素晴らしい作品が集まった。この展覧会が、今後どうやって文化をもり立てていくのかを考える上で、一つのモデルケースになるのではないか」と期待を抱く。

 同館は2021年3月から、空調設備などの大規模な改修工事に入り、2年以上の休館となる予定。蔵屋館長は「ぜひこのチャンスにコレクションを目に焼き付けてほしい」と来場を呼び掛けた。

 2021年2月28日まで。2月11日を除く木曜と年末年始(12月29日~1月3日)、2月12日休館。チケットは日時指定予約制で、一般1500円ほか。神奈川新聞社などの主催。問い合わせは同館、電話045(221)0300。

横浜美術館に関するその他のニュース

文化に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

カルチャーに関するその他のニュース

アクセスランキング