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路上園芸鑑賞家に聞く楽しい鑑賞のこつ 

文化 | 神奈川新聞 | 2020年11月26日(木) 14:35

出版した「たのしい路上園芸観察」を手にする村田あやこさん=神奈川新聞社

 ガードレールを突き抜けて生えている樹木や、軒下にぎっしり置かれた植木鉢など、路上の植物を観察して楽しむ本「たのしい路上園芸観察」(グラフィック社、1650円)が発売された。著者は、逗子市在住で“路上園芸鑑賞家”として活動するライターの村田あやこさん(38)。村田さんに鑑賞のこつを聞いた。

 村田さんと一緒に神奈川新聞社(横浜市中区)の周りを歩いてみた。じっと地面を見つめて「これはツメクサです」。舗装された石畳の目地に生える小さな植物だ。居酒屋が並ぶ辺りでは、ビールケースやエアコンの室外機の上に並ぶ植木鉢に「ありがちですね。植木鉢に植木鉢を重ねることもよくあります」と指摘する。距離にすると大して移動していないが、見どころがいっぱいだ。

 2010年から、路上で面白い植物を見かけると写真に撮るようになった。最初は家族に見せているだけだったが、会員制交流サイト(SNS)で発信すると反応があり、ネットや雑誌で紹介するなど仕事になっていった。本にはこの10年で訪ねた200カ所以上の2万点を超える写真から厳選し、典型的な光景や珍しいものを掲載している。

コンクリートのすき間から生えて建物脇の管に巻き付く植物を観察する村田さん=横浜市中区

 村田さんが定義する「路上園芸」には二つのタイプがある。一つは、住人によるもの。家の壁面を立体的に使い、時には路肩にはみ出すなど、狭い空間でも創意工夫を凝らして置かれた植木鉢は「町の人たちが暮らしを豊かにするために置いた緑。肩の力が抜けていて、ささやかでかわいらしい」という。

 気になる家の人には積極的に話し掛ける。2階まで伸びた大きなサボテンのある都内の町工場では、そのサボテンが2代目で、もっと大きかった初代は東日本大震災時に水道管の漏水で枯れたことを聞いた。さらに初代を株分けした神奈川県内の友人宅を教えてもらって訪ね、屋根を越えてダイナミックに育つ姿を撮影した。

 二つ目のタイプは、人の手を離れたもの。横浜の大岡川沿いでは、金属製の柵を幹に取り込んだ立派なエノキとクスノキを発見。県に確認すると管理する台帳には載っておらず、樹木医によると、鳥が運んだ種が芽生えたもので樹齢30年以上だという。「人知れずにしぶとく、たくましく育っていて、個人的にはご神木にしたいぐらい」と笑う。

 「人と植物のせめぎ合いが面白い。鉢底から出た根がしっかり根付いているのを見ると言葉にできないアドレナリンが出ます」

 そんな発見に、自分なりの視点からつづった言葉を添えて発信すると、共感して面白がったり、違う側面からの見方が伝わってきたり、と多様な捉え方があることを自身も楽しんでいる。

 「自分は枠やルールを気にする性格なので、収まりきらずに茂っている植物や限られた空間を活用している人々の様子といった“はみ出しっぷり”を見ると元気が出ます」

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