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「寓話」としての短歌 歌人・谷岡亜紀が新著

文化・科学 | 神奈川新聞 | 2020年10月26日(月) 17:24

 神奈川歌壇選者を務める歌人、谷岡亜紀の第5歌集「ひどいどしゃぶり」がこのほど刊行された。2010年から16年に詠んだ作品から516首を掲載している。

 「今日もまた夕陽の色のバスが来て乗らねばならぬ気持ちが兆す」「酒と薔薇の日々、だとしても泥水に喉まで浸かり雨を見ていき」といった日常生活を詠んだ歌には、不穏な気配が顔をのぞかせる。

 非日常の旅の経験をうたったものや、国を超えた事件、事故への感慨も多い。「殺害のニュースののちに鐘は鳴りのど自慢始まる日本の昼」では、世界の中の日本を意識させられる。

 作歌に当たっては「ときどき『寓意(ぐうい)性』ということは考えます。現代という、訳の分からない時代の『寓話』としての短歌ですね」と谷岡。「『救われない人間ども』のいとしさ、みたいなものが好き」だといい、社会へ向けるまなざしは時に鋭く、時に温かい。ながらみ書房、2750円。

 
 

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