バイオリニスト葉加瀬太郎のデビュー30周年を飾るコンサートツアー2020「FRONTIERS(フロンティアーズ)」が開幕した。9月2日に発売した記念アルバムの収録曲を中心に、11月の県民ホール(横浜市中区)をはじめとする全国27会場で43公演を予定している。
「手前みそだが、僕ほどバイオリン弾きの中で、いろんな音楽を取り入れて、音楽の旅をしてきた人はいないと思っている」と葉加瀬。大きな節目を迎えた今年は、春・夏と予定していたツアーやイベントが新型コロナウイルスの影響で中止となった。「みんな閉塞(へいそく)感を抱えて生活をしていたので、元気づけるというか鼓舞する作品にしようと思ったんです」と4月から曲を作り始め、6月からレコーディングをして完成させた。
久しぶりのコンサートを前に、葉加瀬は「会場で演奏できることの喜びや大切さを感じている」と話す一方、「1年近くステージを踏まなかったというのはこれまでになかった」と期待と不安、緊張ものぞかせた。
自分自身も「一歩前に進みたい」という思いからスタートしたツアー。県内では11月25、26日に行われる。「県民ホールは大学時代に坂本龍一さんのコンサートを見させてもらい、いつかこんなショーをしたいと思わせてくれた場所。訪れるたびに心が引き締まる」と横浜公演での特別な思いを明かす。
「FRONTIERS」(開拓者)と題した通り、30年を迎えてさらなる可能性を求め、新たな音楽の旅の世界を切り開くツアーとなる。
11月25・26日午後6時半開演。全席指定8800円。問い合わせはキョードー横浜、電話045(671)9911。