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そごう美術館
多様な画風、独特の世界観 「ショーン・タンの世界展」

文化 | 神奈川新聞 | 2020年10月2日(金) 15:36

最新刊「内なる町から来た話」の油彩原画が並ぶ一角=そごう美術館

 オーストラリア在住の絵本作家ショーン・タン(1974年生まれ)の豊かな創造力を紹介する「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」が、横浜駅東口のそごう美術館で開催中だ。絵本の原画や習作、スケッチ、映像、立体作品など約130点を通して、社会に向ける温かなまなざしが感じられる。

 2006年刊行の長編絵本「アライバル」は、「移民」がテーマ。架空の世界を舞台に、家族を守るため新天地へ渡った男の物語を文章を添えずに鉛筆画だけで描く。奇妙な動物が登場し、幻想的な町並みが広がるが、移民に関する古い写真を基にした描写はリアル。主人公の男の顔のモデルはタン自身だ。現実感があるからこそ、画面には郷愁が漂う。

 「居場所」を巡る絵本は「ロスト・シング」。軟体動物とカニとだるまストーブが合体したような奇妙な生き物が迷子になり、少年が帰る場所を一緒に探す。漫画風のコミカルな描写が見どころで、原画や緻密なスケッチが並ぶ。約9年をかけて映画化し、11年に米アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した。

多くのスケッチが貼られたアトリエを再現=そごう美術館

 この“迷子”は少年以外には気付かれない存在だ。「セミ」では、人間に混じって会社で働き、いじめられるセミを描いた。社会からはじかれた存在に向けられるタンの洞察と優しさは作品を超えて響き合い、見る者に深く訴え掛ける。

 旅先の風景を捉えた油絵の小品やアトリエを再現した一角、そごう横浜店開店35周年を記念して描かれたオリジナル作品も並び、見応え十分だ。

 同館の市塚寛子学芸員は「一人の人が描いたとは思えないほど多様な画風だが、根底には独特の世界観が流れており、魅力になっている。大人から子どもまで楽しめる」と話した。

 10月18日まで。一般1200円、高校・大学生800円。問い合わせは同館、電話045(465)5515。

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