【2020年9月27日紙面掲載】
16日午後、私はテレビで大相撲中継を観戦していた。7月場所もそうだったが、国技館に行きたい気持ちもあった。
身長183㎝、体重80㎏(少しサバ読んでます)の私としては、いつも身を小さくして座る4人用の升席を1人で占領できるコロナ禍でのルールは魅力だ。しかし将棋教室で子どもたちと接触する立場でもあるので、リスク回避を優先した。
放送が終わり何となくチャンネルを変えると、サッカー天皇杯の1回戦が中継されていた。既に試合は延長戦で、実況によると後半43分の段階では栃木シティーFCが3-0で勝っていたのに、東京武蔵野シティーFCが追い付いたらしい。
最後はPK戦となり、6人ずつ蹴って5-4で東京武蔵野シティーFCが勝利。失敗した3人はゴールの枠をとらえられなかった。私は選手たちがプレッシャーと戦う姿に見入っていた。疲れ切った極限状態での接戦は本当に面白い。偶然とはいえ、いい試合を見た。
テレビを消してとりあえずパソコンを立ち上げたら、囲碁の名人戦第2局が佳境を迎えていた。見始めてすぐ、芝野虎丸名人(20)が着手すると、人工知能(AI)の評価値が井山裕太挑戦者(31)に大きく揺れた。解説者も驚きを隠せない大逆転だったようである。
勝負事を堪能した一日だったが、将棋と違って囲碁は、どのくらいの逆転劇なのかいまいち分からないのがちょっと悔しい。より楽しむため、もう少し強くなりたいな。
日本将棋連盟指導棋士五段、本紙将棋担当記者