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ヨコハマトリエンナーレ2020
他者とのつながりを問う 現代美術家・さとうりさ出展作品

文化 | 神奈川新聞 | 2020年9月23日(水) 19:15

「双つの樹(白)」とさとうりさ。「時間をたっぷりとって、ヨコハマトリエンナーレを楽しんでほしい」=横浜美術館

 風に揺れる風船状のオブジェが、来場者を見下ろしている。現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2020」に出品している横浜市中区在住の現代美術家さとうりさ(48)の作品だ。二つの会場に分かれて展示され、見えないつながりを通して他者との関係性やコミュニケーションの在り方を問い掛けている。

 横浜美術館(同市西区)に並ぶ「双つの樹(白)」は、「双つの樹(黄、青)」「双つの樹(橙)」が並ぶプロット48(同区)の方を向いている。離れていても、地中でつながっている大きな樹木のイメージだ。

 「原生林の樹木同士は種類を超えて、何百年、何千年と信号を送り合い、森全体を生かしながら自分たちも生きてきた、という研究がある。人間には見えないところで、実はいろいろなことが進んでいる。人間より先輩に当たる生き物のすごさを感じた」とさとう。

 今年1月に美大のゲスト講師として招かれ、インド南部に滞在した。その際に公園で見つけた、並び立つ大木もイメージの元となった。泰然と風に揺れる姿に「シンプルに、ただそばにいたいと思った」と、木と木、木と人、人と人という関係性に意識が広がった。

テラスで日を浴びる「双つの樹(橙)」=プロット48

 2月から制作に取りかかり、プロット48の広い展示場を独り占めして、ミシンや手作業でひたすら布地を縫い続けた。

 「コロナ禍で展示ができるかどうかという不安はあったが、隔離された状態だったので感染に対する不安はそれほどなく、充実した時間だった」と振り返る。

 これまで、鑑賞者に作品を触らせたり、貸し出して展示したり、といった活動を積極的に行ってきたことから、「コミュニケーションアート」と評されることが多かった。だが、今後はそうした活動方法をコロナ対策で変えざるを得なくなるかもしれない。

 「コミュニケーションという言葉を簡単に使いがちだが、コミュニケーションを取る、とはどこまでの話なのか。この人のことは分かっていると思っていても、家族でさえ意外と分かっていないことがある。樹木に限らず人間の中の関係は、これからの自分のテーマになりそう」と話した。

 「ヨコハマトリエンナーレ2020」は10月11日まで。8日を除く木曜休場。チケットは日時指定予約制。一般2千円ほか。問い合わせはハローダイヤル050(5541)8600(午前8時~午後10時)。

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