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【シネマ散歩】
【チィファの手紙】国境越える岩井ワールド

文化 | 神奈川新聞 | 2020年9月11日(金) 17:57

 11日から横浜ブルク13と川崎チネチッタで上映中。

 今年1月に公開された岩井俊二監督「ラストレター」を、中国を舞台にセルフリメーク。現地の習慣や土地の持つ風情、言葉にしっかり根差した物づくりが実を結び、同監督ならではの詩情豊かな世界観はそのままに、中国映画として仕上がっている。

 姉チィナンが亡くなったことを知らせようと、中学の同窓会に代わりに出席した妹チィファ(ジョウ・シュン)=写真。姉に間違えられたまま、真相を言い出せずに会場を後にするが、憧れていたイン・チャン(チン・ハオ)に再会。チィナンとしてチャンと手紙を交わすことになる。複雑に交差する手紙を通して、姉妹をはじめとする人々の思いがひもとかれていく。

 核となるのは、中学時代の回想シーン。1988年の旅順は、道路に車は通らず、スーパーマーケットもない。素朴で質素な町並みを背景に、初恋に揺れる3人の姿が描かれる。チィファはチャンが好きだったが、彼が思いを寄せるのは学校一の美少女で生徒会長のチィナンだった。

 回想シーンのチィファとチィナンを現代のチィファ、チィナンのそれぞれの娘役が演じる入れ子のような構造。姉妹の関係をより繊細で、ノスタルジックに感じさせる。

 手紙という時代遅れのアイテムが醸し出す懐かしさと相まって、切なく美しい物語として心に迫る。岩井ワールドに国境はないと実感。

原作・脚本・監督/岩井俊二
製作/中国、1時間53分

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