【2020年8月28日紙面掲載】
版画を軸に制作する若手アーティストを毎年1人招き、町田に取材した新作が発表される「インプリントまちだ展」。2017年に始まり、最終となる今回は、インドネシアのアグン・プラボウォによる版画とインスタレーション約70点が並ぶ。
彫りと刷りを交互に繰り返し、1枚の版だけで多色刷りを制作。人が抱える心の葛藤をテーマに、自身の体験に基づく深い内省と想像を膨らませた奇想天外な世界が広がる。
昨年9月に来日した経験から生まれた新作は、180枚の版画を組み合わせた3部作。「時」を身体的に表現しようと、来日前、滞在中、帰国後に膨らませたイメージを色鮮やかに表現した。さらに、これまでに同展に参加したアーティストを「くるひと」、かつて町田に在住した赤瀬川原平や若林奮(いさむ)らを「すむひと」として作品を紹介。町田の多様な姿がアートを通して見えてくる。
町田市立国際版画美術館:9月13日まで。月曜休館。一般900円ほか。町田駅徒歩15分。問い合わせは同館、電話042(726)2771。