「本当に五輪を開催していいのか…」。神奈川県内の聖火ランナーに選ばれた田中江里さん(53)は、葛藤を抱きながらも参加を決意した。
新型コロナウイルス感染症対応の最前線に立つ医師として、感染リスク拡大への不安は尽きない。それでも、「五輪や聖火リレーには生きる希望をもたらす力がきっとある」。そう信じてトーチを掲げる。
新型コロナの感染拡大は収まらず、著名人の辞退者も相次ぐ。田中さんの心境も、感染状況に応じて「変わる可能性もある」。
踏みとどまらせるのは、五輪開催に希望を抱く高齢患者たちの言葉だ。
「東京五輪までは生きていたい」「人生の最期にもう一度オリンピックを」
生まれた迷い、でも…
生きる光を、葛藤超え参加決意 県内聖火ランナー・田中医師
-
聖火リレーで意欲を持ち続けて生きる大切さを伝えたいと語る田中さん=25日、葉山町の葉山ハートセンター [写真番号:558396]