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〈時代の正体〉「桜井誠氏=ヘイト」は公正な論評 在特会言動を違法認定

社会 | 神奈川新聞 | 2017年9月27日(水) 14:38

判決後、記者会見する有田芳生参院議員(左)と弁護団=司法記者クラブ
判決後、記者会見する有田芳生参院議員(左)と弁護団=司法記者クラブ

【時代の正体取材班=石橋 学】有田芳生参院議員のツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠(本名・高田誠)前会長が500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが26日、東京地裁であった。小野瀬厚裁判長は「(ツイッターの投稿は)公正な意見、論評の表明で違法とはいえない」として請求を棄却した。

 判決によると、有田氏は昨年4月、岡山市内でヘイトデモを計画した桜井氏について「自称桜井誠=高田誠の存在がヘイトスピーチ=差別扇動そのものです」「差別に寄生して生活を営んでいるのですから論外です」とツイッターに投稿した。

 小野瀬裁判長はこの投稿を「ヘイトスピーチは許されないという批判的意見、論評を表明したもの」と公益性を認め、「朝鮮人を皆殺しにしろ。在日朝鮮人どもを皆殺しにしろ」「いい朝鮮人も悪い朝鮮人も殺せ」「鶴橋大虐殺を実行しますよ」などの桜井氏や在特会の言動はヘイトスピーチ解消法2条の定義に照らし「不当な差別的言動に該当する」と認定。
 さらに桜井氏の著作は「在特会の主義主張や活動理念と趣旨をともにしており、差別的言動と無関係とはいえない」とした上で「ヘイトスピーチは社会的関心の高い問題。桜井氏は在特会の指導的、中心的存在で影響力があり、一定の批判は甘受すべき」と結論づけた。

 桜井氏は2006年に在特会を立ち上げ、現在は「行動する保守運動」代表。16年7月に都知事選に立候補し落選。同年8月、極右政治団体「日本第一党」を結成し党首を務める。

裁判所がヘイト初認定
 被告側弁護団の師岡康子弁護士の話 「桜井氏や在特会の過去の具体的な言動についてへイトスピーチ解消法違反と裁判所が明示して初めて認定した。解消法にのっとり国の機関として解消のための責務を果たしたといえる。何がヘイトスピーチに当たるのかをカタログのように列挙しており、判断する上でモデルになる。具体例があれば認定と対策がやりやすくなる。ヘイトスピーチをなくしていくためにも有益な判決で、本来具体例を示すべき法務省はこれにならってガイドラインを公表するべきだ」

 
 

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