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コロナ禍の中のコンクールを終えて2021年6月24日

1年のブランクを経て最初の本選はユースピアノ部門


皆さん、こんにちは。
今37回の「かなコン」が終わって10日ほどが経ちました。今、振り返るとコンクールの実施期間だけ考えるといつもの通りアッという間だったのですが、前回の終了から1年のブランクがあったこと以上にとても長く感じる37回でした。

1度目の緊急事態宣言が解除となり徐々に音楽活動が再開され、6月下旬から主催者のご厚意でいくつかのコンクールを見学させていただきました。感染症対策の現場を知る目的でしたが会場に赴くと、時期の違いで開催できたコンクールがとてもうらやましかったです。やはり“出来たコンクール”と“出来なかったコンクール”の違いは歴然としています。2年続けて実施できなければ皆さんに参加するコンクールの対象から除外されてしまうと焦りを感じていたので、今年は是が非でも開催したかったです。
その後9月26日に「交流の響き」を皮切りに10月・11月の2度に亘る「チャレンジコンサート」を経て、「コロナ禍の中のコンサート」を経験できたことは大きかったと思います。
完ぺきではないかもしれませんが「どこの会場でも可能な感染症対策」を執ることで多少の安心と不安が交錯しながら3月26日の初日を迎えました。

途中2度目の緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が出たことで「来週はダメかもしれない」という思いが常につきまといながら運営を続けていました。実際に2つの会場で終演時間が緊急事態宣言によって前倒しになっていた閉館時間を超えていました。結局は緊急事態宣言の解除に伴い無事に最後まで行うことができました。また、東京に発令された3度目の緊急事態宣言の措置に「商業施設の閉鎖」があり、その影響で閉鎖になる可能性があった会場も何とか行うことができました。さらに指示された感染症対策も会場毎に異なるなど、本当に気の休まることのなかった日々でした。その様な中でさすがに4部門は疲れました。最後のフルート部門が終わったときは「しばらくのんびりしたい」と思いましたが、入賞者記念コンサートを計画し始めたら何だかワクワクしてきました。また他のコンクールの見学もするつもりです。「かなコン」の時とは違った皆さんの演奏を聴きたくてうずうずしています。

1年以上新型コロナに戦々恐々とする日常が続きました。緊急事態宣言が何度となく発令され不要不急の外出を控えたり、テレワークの推進、飲食店の営業時間短縮、イベント参加人数の上限、酒類の提供禁止等、我々は幾つかの制約を施されています。
しかし、一方で皆さんの様な学生さんたちはもっと辛い日々を送っているはずです。突然、長い休校になり再開後は卒業式も修学旅行も運動会もできない、給食も無言でと指導を受けているとのこと。子供たちはこのコロナで多くのものを失いました。本来子供たちに夢や経験や機会などを「与えること」が大人の義務なのに、本意ではないかかもしれませんが、コロナを理由に子供たちから多くのものを奪ってしまいました。
そのような風潮の中、本当にごく一部の限られた人になってしまいますが、このコンクールを通じて演奏に取り組む熱意や音楽の持つ力や友だちと会う機会など失ったものを提供できればと思いました。そして実は「かなコン」を実施して一番幸せな想いをしたのは私だったのかもしれません。皆さんのおかげで虚無感に苛まれていた心を癒すことができました。今回は私にとって特別な回となりました。(tsuka)


ユースピアノ部門幼児の部入賞者を審査委員長が祝福


レベルの高い演奏を披露したユースピアノ部門の各部最優秀賞受賞者


同じ部から大賞と準大賞が選出されたヴァイオリン部門


はじける笑顔で表彰を受けるヴァイオリン部門入賞者


中止になった昨年と同じ課題曲で実施したフルート部門


フルート部門本選はみどりアートパークで行った


本選進出者全員が受賞したピアノ部門