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良いお年をお迎えください2020年12月28日

次ぎこそ、舞台でコンクールを


皆さん、こんにちは。
今年も残すところ、あと数日になりました。一応、本日(12月28日)が仕事納めとなります。
本当に心にぽっかりと大きな穴が空いた1年でした。個人的には年明け早々に知人と肉親を続けて亡くし、落ち着く間もなく新型コロナウイルスの流行で全世界が大混乱しました。3月から半年間は何の活動もできず、目的がないまま虚無感だけの毎日を送っていました。

皆さんも学校生活や音楽活動に支障をきたし、これまで経験のない日々を過ごされたのではないでしょうか。休校の最初の頃は音楽に打ち込むことで気分を紛らわせていたのが、変化のない日常にストレスを覚えて、楽器も手に付かない人もいた様です。
それでも6月過ぎからは少しずつ他のコンクールが開催され、感染症対策の現場を見学する為と「かなコン」参加者の人たちに遭う為に、入場許可をいただいたものには足繁く通うように努めました。今年初めて見学したコンクールやコンサート・発表会も多く、そのたびに生演奏の大切さを実感しました。

我々も感染者数が下火となった9月26日に、地方新聞社のコンクール入賞者によるガラコン「交流の響き」を開催することができ、神奈川代表に前々回のヴァイオリン部門準大賞を受賞した橘和美優さんに出演いただきました。また翌週には県立音楽堂でユースピアノ部門エントリー者を対象とした「チャレンジコンサート」を行い71人の方に音楽堂の舞台を彩っていただきました。また、ヴァイオリン部門のエントリー者36人の方には翌月1日にフィリアホールで演奏いただきました。両日ともとても盛況で、これまでの鬱屈した日常に息吹を吹き込むことができたと思っています。チャレンジコンサートは改めて皆さん(参加者・保護者・指導者の皆さん)との繋がりを確認することができ、本当にやって良かったです。

来年開催予定の第37回大会の募集を始めて1ヶ月以上が経ちました。応募者数は過去2回と比べていずれも上回っています。コロナ陽性者数が増え再び社会が不安視される中、ありがたいことです。これまでと全く同じ様式とは行かないかと思いますが、次回は何としても実施したいと切望しています。

こんな状況の中、篠崎史紀先生が以前神奈川新聞に「作曲家が残した曲は世界遺産。彼らの曲を演奏する時に、作曲家に敬意を持って演奏します」とコメントされた記事を思い出しました。そして楽器が弾けない私は、偉大な作曲家の作品を今の世に甦らせてくれた演奏家の方々にもバッハやモーツァルト、チャイコフスキーなどと同等の敬意を持って演奏を聴きます。それは一流の演奏家だけにではなく、情熱を持って音楽に取り組んでいる皆さんに対しても同じです。

そしてもう1つ、今年の最後にN響のコンサートマスターを務められていた堀正文さんが、大谷康子さんがMCをされている番組「音楽交差点」に出演された時のコメントを紹介します。
「今の若い人はYouTubeなどで簡単に一流の演奏を聴く機会があって、テクニックは本当に素晴らしい。でもそれが全てではない。大事なことはテクニックが音楽を創るのではない。音楽がテクニックを要求するのです」。
「かなコン」の主旨である「技巧より感性」に通じる、とても深い言葉ですね。

何度となく皆さんに励まされた1年でした。どうぞ良いお年をお迎えください。(tsuka)


再開最初のコンサート、交流の響き2020


記念演奏会も是非、開催したい