会場審査と動画審査2020年7月1日

皆さん、こんにちは。
気がつけばもう7月。今年もあっという間に半分が過ぎてしまったことになります。
3月からの4ヶ月間は新型コロナウイルス感染対策で多くの業務や活動が規制されてしまい、「かなコン」が全くできなかった為、無為に時間だけが過ぎてしまった感があります。
皆さんも学校が長期間休校となってしまい卒業式、終業式、入学式などの区切りとなる催しが行われず、この間演奏活動でもコンクールやコンサートに参加できず発表の場を奪われたのは、さぞ辛かったことと思います。

 私もいつもなら「かなコン」をはじめ他のコンクールやコンサートで皆さんと会うことができる機会を失って鬱々としていました。だからこそ先週久しぶりにコンクールを見学し、改めて生の演奏を客席で聴くことの喜びを実感しました。緊張した面持ちでステージに登場し、ホール内を自分の奏でた音で満たして、弾き終わった直後に笑みを浮かべる人、少し悔しそうな表情で舞台袖に下がる人等々、様々な表情が交錯することにいちいち感心したのは、いかに自分が生演奏から遠ざかっていたことの証だったのではないかと思います。皆さんの演奏を聴くなんて今までは当たり前のことだっただけに、今回は本当に貴重な経験をしました。改めてこの機会を頂きましたことを主催者様に感謝いたします。

 今月からいくつかのコンクールが開催されますが参加者の安全に配慮して関係者限定入場となっているので残念ながらホールで拝聴することができません。また一部では動画審査を導入しているものもあります。動画審査について私は当初否定的でした。今でも賛成ではありませんが「かなコン」での導入を検討して色々と調べていると動画審査ならではのメリットもあります。まず、在住地の問題で「かなコン」を受けられない人も物理的な障害をクリアできることです。今でこそ全国から参加できますが、「かなコン」の会場は全て神奈川県内で行われるのは昔から変わっていませんし今後も変えるつもりもありません。参加したいと思っている皆が神奈川に来ることができる訳ではないので、動画審査なら距離の問題が解決できます。
また、会場審査は当然一発本番なのでミスをしたり体調が優れなかったりしたら取り返しがつかず悔やみきれない思いをしますが、動画審査であれば提出期限までは納得できるまで何度もチャレンジできます。可能な限り最高のパフォーマンスで審査に臨むことができるのです。
また、当日の公共交通機関の乱れで冷や冷やする思いをした経験が何度もあります。車で来場される人が渋滞にはまって自分の部門に間に合わなかった場合は失格となります。そんな心配をしなくても済むことになります。
運営側としてもホールを押さえる手間や諸々の費用、現場に向かう時間や労力から解放されるので運営上のコストとリスクを軽減することができます。
とは言ってもやはり会場での運営は臨場感の点からも直接参加者とコンタクトできることからも何にも変え難い魅力があります。奇妙な表現と思われるかもしれませんが現場では「体温を感じる音」が存在していることを先週のコンクールで体験しました。

参加者にとってはよりシビアな状況になってしまうのかしれませんが、やはりホールで演奏することは演奏活動を続けるうえで大変貴重な経験だと思って臨んで欲しいのです。
「人と一定の距離を取りましょう。食事は向かい対面に座らず、会話をせずに食べることに集中しましょう。歌やトレーニングはオンラインを。展示品にはなるべく触れない様にしましょう」。これらは新型コロナウイルスと共存するための「新しい生活様式」の事例です。人間らしさの基本を放棄した生き方の様で、私には抵抗感があります。(tsuka)


動画審査ではyoutubeへのアップがメインに


動画演奏が主流になると、会場演奏が貴重になる