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クリスタルコンサートと学生音コンの雑感2018年9月12日

 皆さん、こんにちは。

 9月になりましたが、以前暑い日が続いています。それでも朝夕は涼しさを感じることがありますね。

 8月24日に行ったクリスタルコンサートには28人の幼児・小学生が出演されました。皆さん本選後に他のコンクールを経験されたのか、ステージ上で堂々と演奏されていましたね。事前アンケートにも選曲の理由や音楽への取り組み姿勢、観客へのメッセージなど、もう立派な演奏家の心構えが現れていました。いいですねえ、将来が楽しみです。

 時期的なこともあって学生音コンの課題曲を選んだ人もいました。本番間近のクリスタルコンサートは最後の演奏機会として絶好の場かと思います。こちらもできる限りの応援やサポートをしますので、どんどん活用していただければと思います。

 学生音コン参加者の中で、その課題曲ではない曲を演奏した方がいました。「クリスタルコンサート出場者の中で最年長なので、コンサートの最後にふさわしい華やかな曲を先生に選んでいただきました」とお母様から伺いました。

 これには先生も立派だと思いますし、それに応えた出演者の方にも頭が下がります。きっと不安で課題曲を弾く時間をもっと必要とされていたと思います。そんな状況で決して易しくない別の曲も仕上げていく大変さを思うと本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 その学生音コンですが、ヴァオリン部門の小学生と高校生を聴きに行きました。小・中・高の各部で課題曲はバッハの無伴奏から。「かなコン」でも無伴奏を課題曲にしていますが、中学生と高校生の第2次予選に限られています。小学生に無伴奏曲、しかも予選の課題曲とはどうなのか疑問を感じます。歴史と権威あるコンクールに相応しい課題曲としてバッハが選ばれているのでしょうか。

 私たちの運営する「かなコン」は地方で細々と行う権威のないコンクールですが、担当として小学生たちの、しかも第1次予選の課題曲として「バッハの無伴奏」を弾く前にやるべきことがあるはずだと思っています。「お前の認識が甘い!」と指摘されるかもしれませんが、気になって「小学生・バッハ無伴奏・コンクール」とインターネットで検索したら、あるサイトがヒットしました。タイトルは「小学生にバッハの無伴奏を弾かせることについて」。共感した箇所の抜粋を以下に掲載しました。

 「技術的に弾けるかもしれないからといって10歳くらいの少年・少女に弾かせて、その演奏内容によって選別をする。選別のためなら学習者向けのエチュードがあるのに、何故、バッハ?…(略)…『80歳を越してようやくバッハがわかってきてきた』そんな演奏家が終生かけて挑み続ける曲の、今はまだ筆下ろしの段階の演奏である。この先はとても長い。通過した人も、涙をのんだ人も、今のバッハの演奏のままで留まっていることは決してない。…(略)…まだまだ『バッハのようでバッハでない』段階なのだから、その習作において審査され、優劣がつけられることに、さほど意味がないともいえるのではないか。…(略)…客席で思いを馳せつつ、私の頭の中は『何故、小学生のコンクールでバッハなのか』という問いが延々と駆け巡り続けたのであった」

 このサイトに目を通しながら、篠崎審査委員長に初めてお会いした時のことを思い出しました。募集要項に掲載された課題曲をご覧になって「ここにヴァイオリンに必要なことが全部盛り込まれている」と言っていただけました。それは「かなコン」の方向性が審査委員長の意向に即していたということです。N響のコンサートマスターに評価いただいたことは、大変自信になりました。

 全国規模のコンクールと比べると規模や金銭面なことをはじめ足りない点はたくさんあるとは思います。しかし30年以上続けている蓄積や毎年1,000人規模の人に参加いただているなど、決して卑屈にならずに胸を張って運営にあたっています。前にも言いましたが「かなコン」は「審査員」「会場」「参加者」に恵まれた音楽コンクールです。(tsuka)