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明治の女学生が描いた日本画700点が平沼高で発見、27日から企画展/横浜

神奈川新聞 | 2012年2月24日(金) 00:28

27日から明治期の女学生の日本画作品などを紹介する「教師と教え子」展=横浜市西区の横浜平沼高校
27日から明治期の女学生の日本画作品などを紹介する「教師と教え子」展=横浜市西区の横浜平沼高校

明治期の女学生が描いた約700枚の日本画が、県立横浜平沼高校(横浜市西区)で見つかった。同校では当時、のちに日本画家として大成する松岡映丘(1881~1938年)らが熱心に指導に当たっていた。同校は27日から明治期の生徒の作品や教師らの資料を展示し、特色の一つである美術教育の歴史を紹介する。

日本画は、1901年に県立高等女学校として開校した1期生から8期生までのもの。92年に現校舎を新築した際、旧校舎の美術室から発見されていたが、昨年になって同窓会の歴史資料委員会のメンバーが整理した。

同委員会では、図画に添えられた草書体の名前を古文書の専門家らに解読してもらった上で、同窓生名簿と照らし合わせ、女学生の在校時期を確認。創立当時の作品と判明した。

作品はB4判より少し大きめの和紙に描かれた日本画で、果物や花を写実的に描いた写生画や、教科書などを手本に和服姿の女性の後ろ姿などの同一題材を描いた臨画などがある。

また、北海道や青森、沖縄など15道県の女学生の作品82点も見つかった。同校ではこの時期に、のちに美術教育界の重鎮となる多賀谷健吉も美術教師を務めていたことから、同委員会は「多賀谷教諭が全国規模の展示会などを企画したのでは」と推測している。

同校は関東大震災で校舎が倒壊したが焼失はせず、横浜大空襲でも鉄筋コンクリート造りの校舎が被災を免れた。調査の中心を担った同委員会の永森邦雄さん(77)は「現在の中学生から高校1年生に当たる生徒の作品だが、色使いも筆遣いもとても美しい。普通科高校ながら芸術教育にも特色を持つ、現在につながる流れを見てほしい」と来場を呼び掛けている。

企画展「明治期の図画作品からたどる―教師と教え子」では、女学生の日本画約50枚と、松岡映丘ら教師や、同校の卒業生で画家として活躍した荘司福らの資料を同校の歴史資料展示室に展示する。入場無料。公開日時は27、28日、3月1、8、9日の午後1~4時。問い合わせは、同校電話045(313)9200。

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