18年前から「川崎さいわい寄席」を主宰するアマチュア落語家の清流亭いしあたまさん(68)=川崎市幸区在住=が、川崎を舞台にした自作落語などを収録した「落語『夢見ヶ崎』道灌外伝」を出版した。
古典落語の「道灌」が有名なため「長年諦めていたが、子どものころから思い出の多い夢見ケ崎を舞台に道灌の創作落語を作らなくては気がすまかった」といしあたまさん。昨年秋の第36回さいわい寄席で発表し、好評を得たことから、自作落語の著書「かわさき落語草紙」「落語・二ケ領用水物語」に続く第3弾としてまとめた。
今回の外伝は、夢見ケ崎の地名の由来とされる、太田道灌が加瀬山に築城しようとしてワシに兜(かぶと)を取られた夢を見てやめたという故事がベース。道灌や兜にまつわる古典落語を挿入し、取られた兜がどこに落とされたかなどを落語おなじみの気楽な掛け合いで楽しませる。
その他、いしあたまさんと弟子の清流亭小舟さんが登場して口演する古典落語「芝浜」や一日一話、いしあたまさんが7割をひねり出したという「小(こ)噺(ばなし)365」も収録。例えば、1月26日の入試合格の小噺は「スイセンの花が咲いています」。
「外伝には地元の人が知らない話も盛り込みました。ぜひお手に取ってもらえれば」と、いしあたまさんは話している。
15日から県内主要書店で発売。四六判、205ページ。1260円。問い合わせは、まつ出版電話045(862)1255。
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