「桜 さけよ/桜さけ/さくら さけよ/あの地に/さくら さけ」―。暮らしの中で感じた思いを自由に5行で表現する五行歌の朗読歌会が22日、鎌倉市大船の鎌倉芸術館集会室で開かれた。東日本大震災の被災地に思いを寄せた作品も数々読み上げられた。
主催の愛好者団体「ハマ風の会」(松本希雲代表)に加わる県内各地の歌会参加者約50人が、それぞれ思いを込めて自作の3首を朗読した。冒頭の五行歌を披露した副代表の岡本まさ子さんは、宮城県石巻市で兄が被災、4日目に無事が確認されたという。
代表の松本さんも、大震災を詠んだ。「地球には/大きな災害でも/宇宙では些細(ささい)なことか/今宵(こよい)は星の輝きすら/心の慰めにはならない」
ほかにも多くの作品で、無常観や復興への願いなどが詠み込まれた。加えて、五行歌で取り上げる日常の営みの大切さが一層浮かび上がった。
東北地方をはじめとする方言五行歌など趣向を凝らした朗読歌会は、会員による篠笛(しのぶえ)やハーモニカ、オカリナ演奏、ピアノ伴奏による合奏などで和やかに盛り上がった。
「ハマ風の会」の問い合わせは岡本さん電話090(5991)4273。
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