女子美術大学大学院を今春卒業する学生の作品展が10日、女子美アートミュージアム(相模原市南区麻溝台)で始まった。絵画や写真、立体作品など卒業生52人がみずみずしい感性を発揮した作品が並ぶ。入場無料で20日まで。
本田清夏さん(24)は、日本の宗教観をテーマにした作品を出展した。1枚の絵に仏教、キリスト教のモチーフを混在させ、さまざまな宗教が混ざり合うさまを描出。「現在の日本社会を描いた」という。
小池いずみさん(24)は染色した毛糸をパネルに張り巡らせ、鑑賞者をまっすぐなまなざしで見つめる人物画を完成させた。「他人とのコミュニケーションが苦手な自分は、ピンと張り巡らせた糸で他者と向き合う緊張感を表現した。作品制作は、自分の弱い部分と向き合う時間になった」と振り返る。
子育てが一段落してから大学院に入学した主婦の作品もある。フライパンや食器など台所の日常風景を、蛇口からあふれる水に溶け合うように描いた。制作した室町克代さんは「大学院で学び、自分は絵が好きということを再確認した」と話している。
このほか、墨で染めた和紙を幾重にも重ねるなどして高さ約3メートルの人形(ひとがた)を作り、紙の可能性を追求した作品など、卒業生の集大成が並んでいる。
午前10時~午後5時。期間中無休。問い合わせは同ミュージアム電話042(778)6801。
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