徳川家康の外交顧問を務め、横須賀市の逸見地区に領地を与えられた英国人ウィリアム・アダムズ(日本名・三浦按針)をテーマにした「按針フェスタ2014」が18日、同地区で開催された。ゆかりの地のウオーキング、歩行者天国、講演会やコンサートなど多彩なイベントを通し、郷土の偉人に思いをはせた。
逸見地域運営協議会の主催。按針ゆかりの4市で構成する「按針サミット」の幹事市を横須賀市が来年度務めることに先駆け、機運を高めるため企画した。
講演会では、元教師で「按針のまち逸見を愛する会」の吉江宏さんが時代背景を解説しながら按針の逸話を紹介。家康が按針を外交顧問にし、外洋帆船を造らせ、逸見に領地を与えた理由について、「浦賀を国際貿易港にして、交易をしたかったのではないか」と述べた。
コンサートでは、市立坂本中学校吹奏楽部の演奏に続き、元教師の岩澤啓子さんの指南の下、地域で歌い継がれていた按針賛歌を来場者が合唱。逸見出身の市議、上地克明さんは按針の供養塔「按針塚」をめぐる少年時代の心象をつづった「アダムスの道」などを熱唱した。
按針菩提(ぼだい)寺の浄土寺では、逸見の今昔の写真展やジャズコンサートが行われるなど、各会場は活気に満ちていた。
按針賛歌を歌っていた会社員の男性(63)は「独唱よりも合唱の方が盛り上がる。私は横須賀生まれではないが、按針賛歌は歴史のあるいい歌なので、次世代に伝えていきたい」と話した。
【神奈川新聞】