美術家の作品制作場を一斉に公開するイベント「スーパーオープンスタジオ」が18日、相模原市緑区の橋本駅周辺などで始まった。同市や東京都町田市、八王子市にある22カ所のスタジオが参加。地域の人に活動を知ってもらったり、アーティスト同士の交流を深めたりする狙い。主催者は「アートは身近にあることを知ってほしい」と呼び掛けている。来月9日まで。
同駅周辺には、多摩美術大学や東京造形大学など有名美大がキャンパスを構える。主催する相模原市の芸術活動施設「アートラボはしもと」(同市緑区)の柳川雅史所長(58)は「大学を卒業した若手アーティストが制作の場にこの地域を選ぶことも多く、スタジオが数多くある」と話す。
一方で、地域住民らが訪れる機会はほとんどなく、アーティスト同士の交流も少ない。アーティストの久野真明さん(29)は、「制作中は孤独を感じることも多い」と話す。
そうした声を受けて、昨年からオープンスタジオを開催。22カ所のスタジオが一斉公開されるのは、全国でも最大規模という。
「アートラボはしもと」では、家や町の風景を題材にした、制作中の高さ5メートルの木造作品などを展示。他のスタジオでも版画体験、バーベキューなど多彩な催しが行われる。
「ギャラリーなど美術作品を見る場所は都内が多いが、実際に作っているのは身近なところ。市内にたくさんの芸術家がいることを知ってほしい」と柳川さん。久野さんは「アーティスト同士が刺激し合って活気が増していけば」と期待している。
各スタジオの場所や公開日時など問い合わせは「アートラボはしもと」電話042(703)4654。
【神奈川新聞】