69年前、広島で被爆しながらもたくましく育った「被爆アオギリ」の2世の植樹が23日、逗子文化プラザ(逗子市逗子)で行われた。市の平和事業「ピースメッセンジャー」として今夏、広島を訪問した逗子市内の中学2年生20人が参加。「平和が育つように」と願いを込めて苗木に土を掛けた。
1945年8月6日、爆心地から北東約1・3キロの旧広島逓信局の中庭にあったアオギリは被爆した。幹は熱線と暴風で焼けてえぐれたが、次第に若葉が芽吹き、人々に生きる希望を与えたという。
現在は広島平和記念公園内で成長を続ける親木の苗木を、2010年に広島を訪れたピースメッセンジャーが譲り受け、市役所内で生育。今年が逗子市の非核平和都市宣言10周年の節目に当たることから、今回の植樹が行われた。
平井竜一市長は「核兵器のない世界を目指し、このアオギリが平和の大切さを伝える象徴になってほしい」と呼び掛けた。生徒たちも「身近な人だけでなく、英語を勉強して外国の人にも、原爆の恐ろしさを伝えていけたら」と思いを新たにしていた。
【神奈川新聞】