
今年で29回目を迎える遊行寺薪能が21日、藤沢市西富の時宗総本山遊行寺で開かれた。境内にはかがり火がたかれ、伝統芸能がつくり出す幽玄の世界に約1800人が浸った。
吉野山に身を隠す源義経や静御前を題材にした能「吉野静」と、義経の家来・佐藤忠信の奮闘を伝える能「忠信」を宝生流が披露。カタツムリをめぐるやりとりをユーモラスに描いた狂言「蝸牛(かぎゅう)」は大蔵流が担当した。
本堂前に舞台が設けられた夕暮れの境内は、昼間の暑さも一段落し、時折涼しい風も。由緒ある寺のたたずまいに太鼓や笛の音が心地よく響き渡り、来場者が魅了されていた。
かながわ信用金庫などでつくる実行委員会の主催で、市や藤沢商工会議所、市観光協会などの後援。
【神奈川新聞】