三浦市初声町を拠点に活動するイラストレーターで絵本作家の砂山恵美子さんの初の原画展が絵本専門店「うみべのえほんや ツバメ号」(横須賀市津久井1丁目)で開かれている。2011年にこぐま社から出版された絵本「おままごと」など3作品の原画やパネル約50点が並ぶ。30日まで。
砂山さんは青森市浅虫生まれ。元来、絵本好き。「絵本作家になりたい」と、小学校の卒業文集に書いた夢を実現させた。
両親が経営する旅館に「ノンちゃん雲に乗る」などで知られる児童文学者の石井桃子さんが訪れていた。そうした縁から、定期的に絵本が贈られてきたこともあって、幼いころから物語に囲まれて育った。
小学生のころ、シロクマの人形を題材にした30ページほどの作品を創作した。「学校から自宅までの約20分間に目にする光景をヒントに、創作にふける。そんな小学生でした」
1987年、日本大学芸術学部に進学。在学中、単身米国へ1年間留学し、ワシントン州立大学ファインアーツ科でデッサンなど基礎を学んだ。
卒業後、グラフィックデザインなどを手掛ける会社を経て、95年にフリーに転身。雑誌などの挿絵を担当する傍ら、出版社に作品を持ち込む活動を地道に続けた。そして2006年、着ぶくれをテーマにした絵本「まがなった」でデビュー。これまで10冊を出版してきた。
「おままごと」はお人形のお母さんになりきった女の子が主人公の作品で、会場では色鮮やかな原画を観賞できる。「多くの方に来て、いろいろな声を聞かせてほしい」
午前10時~午後7時(30日は午後5時まで)。問い合わせは同店電話046(884)8661。
【神奈川新聞】