
県立近代美術館葉山(葉山町)で開催中の「立ちのぼる生命(いのち) 宮崎進(しん)展」のレセプションが17日、同館で行われた。パーキンソン病を患い闘病中の画家、彫刻家の宮崎進さん(92)=鎌倉市在住=も車いすで登場し、ファンや多摩美大のかつての教え子たち、美術関係者など集まった約300人が温かい拍手で迎えた。
宮崎さんは1945年、中国で終戦を迎え、4年間シベリアの収容所に抑留された。会場には、過酷な状況からも生き抜こうとする人間のたくましさや魂の自由を描き出した絵画や立体作品が並ぶ。
病気のため会話が不自由な宮崎さんだが、マイクに向かい「今日はどうもありがとうございます。この展覧会を開いていただいて、うれしいです」とあいさつした。
レセプションに先立ち、同館の水沢勉館長による記念ギャラリートークも行われた。「準備の段階から、先生の意志力そのものが制作活動というほどの熱意だった。生きているとはどういうことかを正面から取り上げた展覧会となった」と話し、宮崎さんの今も衰えない創作意欲に敬意を表した。
同展は6月29日まで。月曜休館。一般900円、20歳未満・学生750円、65歳以上450円、高校生100円。神奈川新聞社などの主催。問い合わせは同館電話046(875)2800。
【神奈川新聞】