秦野出身の歌人・前田夕暮(ゆうぐれ)(1883~1951年)の生誕130年を記念した講演会「夕暮と白秋~響きあう魂~」が21日、秦野市文化会館(同市平沢)で開かれた。市教育委員会の主催で、約60人が参加した。
現代歌人協会会員で雑誌「短歌人」編集委員の渡英子さんが講師を務め、夕暮と北原白秋との交流や、近代短歌の歴史に及ぼした影響などを語った。
1923年、白秋が小田原駅で乗り込んだ車内で夕暮と偶然再会。そのまま三浦半島に出掛け、3泊4日にわたって文学を語り合った。これをきっかけに親交が深まり、雑誌「日光」の創刊につながったという。
渡さんは夕暮が詠んだ歌や回想録などを紹介しながら「夕暮の魅力を引き出したのは白秋ともいえるのでは」と言及。さらに「夕暮は思い立ったらすぐに新しいものに取り組む性格。今の私たちに参考になるところも多い。作品にも多く接してほしい」と呼び掛けた。
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