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コロナ時代の挑戦シリーズ第1回 長後製パン
社会貢献からビジネス創造へ

神奈川新聞 | 2020年7月27日(月) 05:00


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 新型コロナウイルスの感染拡大で多くの業界が苦境にあえぐ中、ピンチをチャンスに変えようと挑む人がいる。そんな事業者に話を聞き、困難な時代を生き抜くヒントを得ようという連載の第1弾で取り上げるのは、藤沢市の老舗製パン業、長後製パン取締役営業部長の斎藤孝暁さん。地域のお薦めパンが一度に味わえる企画を通じ地元飲食店を支援した29歳の4代目は、その先の商機もうかがう。


他店や関係機関と力を合わせ、地元飲食店を支援した斎藤さん

収入減の飲食店を支援

‐収入減に悩む市内飲食店を支援するために考案した企画について教えてください。

 私ども長後製パンと、藤沢市と寒川町のパン店4店舗、それとパンの通販サイト「rebake(リベイク)」さんの6者で協力し、実施しました。各店一押しのパン計10点とラスク1点の詰め合わせを販売する企画で、通販サイトで注文を受け付け、市内の飲食店で商品を受け渡し、そして、場所をお貸しいただいた飲食店に場所代として売り上げの一部をお渡しするという仕組みにしました。

 期間は、4月下旬からの土日を除いた14日間。緊急事態宣言下でしたので、感染症対策には万全を期しました。事前予約制を採ったのもその一環で、お客さまの列や集まり、いわゆる「密」をつくることなく販売できました。おかげさまで連日完売し、市内の飲食店4店舗を支援することができました。


各店舗の自信作を詰め合わせたセット。1セット2500円で販売し連日完売した

強い思いが突き動かす

-自粛が叫ばれる中での行動です。覚悟がいったでしょう。

 給食用のパン作りができなくなった代わりに、私どもは3月初旬から「コロナに負けるな」と銘打ってコッペパンを製造・販売しました。この試みをツイッターで発信したところ、2万リツイートという反応をいただき、大盛況につながりました。


焼き上がったコッペパン。製法と素材にこだわりを持って作っている

 ただ、その一方で声を上げられない事業者の方もいるのではないかと考え、今度は支援する側に回ろうと決意しました。当時は動くこと自体を危険視するような風潮がありましたから、悩んだのは事実です。

 しかし、このままくじけてはいけない、そんな思いが自分を突き動かしました。企画はまさに突貫工事でしたが、仲間の協力、多くのお客さまの賛同をいただきました。大きな意義があったと感じています。

課題あるも可能性実感

-新たなビジネスとしての可能性は感じていますか。

 地元パン店の複数の味を一度に楽しめる企画への反応は上々でしたが、新たな商売とするには広告塔にもなる実店舗が必要だと痛感しています。ただ、地域のリテールベーカリーが丹精込めて作ったパンの詰め合わせとネット販売の融合に可能性を感じています。また、直営店2店舗でパンを包装して売り出し始めたことも大きな変化で、ご好評をいただいています。


包装されて店頭に並ぶパン。「安心」とお客さまに好評だ

 企画を通じ、支援先の飲食店をご紹介いただいた藤沢商工会議所をはじめ、仲間との結び付きが強まったことも何よりの財産です。今後もスピード感を重視しつつ、感染状況を見つつ一歩ずつ企画を進めていきます。

浜銀総合研究所の視点
 自分たちの会社も危機に直面するなかで、より苦境に立たされている飲食店を支援しようとする「先義後利」の信念に基づく行動は、老舗企業の共通項です。長年長後製パンさんに培われてきた、こうした理念がファンをつくり、顧客として、パートナーとして同社を支え、今回の企画を成功に導いたものといえるでしょう。
(経営コンサルティング部主任コンサルタント 太田和正)

DATA
長後製パン
本社工場 藤沢市高倉877、直営店「ロワール光月堂本店」藤沢市高倉877、「ロワール光月堂大庭店」藤沢市大庭5061―2、湘南ライフタウンショッピングセンター(ライフピア)内
1926(大正15)年創業、1948年設立。藤沢、茅ケ崎、鎌倉、大和4市の学校給食や病院、飲食店など向けのパン製造、直営2店舗での販売を手掛ける。創業以来磨き続ける製法が特長で、地元産小麦といったこだわりの素材を使った商品は多くの地域住民らに親しまれている。

神奈川県内で新たな挑戦を行う人や企業を紹介していきます。
横浜銀行は地域の皆さんの活動を応援しています。

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