JA横浜の連載「次代につなぐ横浜農業」。次代を担う農業者とその取り組みをリポートし、橫浜のこれからの農業の姿を紹介するシリーズです。
一緒に取り組み前進
「横浜ベジフルレディ」(角田緑里代表)は、旬の横浜産野菜の直売会や先進的な取り組みをする農家の視察会などを行う女性農業者グループです。JA横浜が組合員とその家族を対象に開く「女性農業者講座」の2010年度講座修了者の有志10人ほどが中心になり発足しました。市内にはさまざまな女性農業者グループがありますが、同JAが開く講座をきっかけに自主的に活動を始めた新しい形のグループです。女性の視点を生かし「農業」と「地域」を結ぶ活動をしています。
メンバーの住む地域や年代、栽培品目、農業者としてのバックグラウンドは実にさまざま。角田さんは3年前に就農するまで、農業に接する機会はなかったといいます。「受講者の皆さんと話をするだけでも、勉強になりました。1人では何もできませんが、皆さんと一緒に取り組むことで、一歩ずつ前進できれば」とグループ結成を呼び掛けました。
農家からも「食育を」
主な取り組みは、メンバーが生産した横浜産野菜を持ち寄る直売会。すでに山下公園(中区)で3回、9月1日には大黒パーキングエリア(鶴見区)でも開催しました。
「最初は手探りで、どれくらい品物を用意したらいいのか分かりませんでした」と相澤里美さん。中区には同JAの直売所がないこともあり、「反響が大きく、次の開催予定を聞いてくれるお客さんの声がうれしかったです」と森房子さん。自分の野菜だけを売るのではなく、メンバーみんなの野菜を販売するのがこの直売会の良さ。渡辺裕美さんは「それぞれの野菜の良さを互いに学んで販売に臨みます。それがとてもいい勉強になるんです」と話します。
グループでは「食育」への関心も高く、民間の検定「食の検定・食農3級」を共に受けたり、地域の保育園児にサツマイモの苗の植え付けから掘り取りを体験してもらう活動をするメンバーも。副代表の渡辺多恵子さんは「農業を存続させるためにも受け継いだ農地を大切にし、消費者の皆さんに私たちの農作物を知ってもらう活動をこれからも続けていきたい」と話します。
企画・制作:神奈川新聞社クロスメディア営業局