株式会社リクルートホールディングスが毎年発表し、今回で10回目になるトレンド予測。2018年12月に発表された「2019年のトレンド予測」では、住まい、新卒採用、中途採用、人材派遣、アルバイト・パート、美容、自動車、飲食の8分野において、それぞれ時代の流れを読む新しいコンセプトとしてキーワードが発表された。
このトレンド予測は、リクルートグループの各事業が日々の営業活動を通して得た企業とユーザーの声をもとに、各分野の兆しを捉え、紡ぎ出されている。
それぞれの分野の業界活性化につながる事例や、4月からの新生活をスタートするために知っておくと便利な情報を4週に分けて紹介する。
【自動車】分野のトレンド予測キーワードは『もしもCAR電』。このトレンドが予測された背景から、今後の見通しまでを解説する。
クルマ選びに「防災」という新しい観点。
災害時にライフラインの1つとして自動車が強い味方になる。
2019年は、消費税増税によるクルマの買い換えが増えると予想される。実際、前回の消費税増税時には、直前4か月でクルマを購入した8割近くの人が増税を要因としてあげていた。ただ、今回は、単に増税前の駆け込み需要というだけでなく、各地で頻発している自然災害を受けて、災害時における電力供給源やシェルターという視点も加えたクルマ選びが増えるものと見られる。そうしたニーズに応える車や車選びの視点を、「便利家電」などといった呼び方にならって『もしもCAR電』と呼びたい。
昨年の北海道胆振東部地震では、全道停電で復旧のめどが立たない中、クルマから自宅に給電して冷蔵庫やお風呂のボイラー、スマホ充電に役立てた三菱アウトランダーPHEVや、熊本地震の際に避難所における臨時の電力源として貢献した日産e-NV200など、『もしもCAR電』というべき事例には事欠かない。
リクルートの情報誌「カーセンサー」の独自意識調査(2018年)によると、クルマ選びで「もしもの時の防災」観点を重視する人は20人に1人の割合となっている。販売現場でも、北海道三菱自動車では胆振東部地震をきっかけに販売店のHPに災害関連の特設コーナーを設置。「もしも」の際の備えとしてのクルマ選びをサポートし始めている。自治体の災害対策としてのクルマ導入事例も多い。東京トヨペットが港区に災害時電源供給車としてプリウスPHVを寄贈したほか、日産自動車と練馬区は協定を締結し、災害時には日産ディーラーのリーフ試乗車を無償貸与することになった。ライフラインとしての『もしもCAR電』という観点で車を購入する人は今後さらに増えていくだろう。
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【2019年のトレンド予測キーワード】
「デュアラー」(住まい分野)
「就域」(新卒採用分野)
「職場スカウト採用」(中途採用分野)
「留Biz大学生」(人材派遣分野)
「学び場イト」(アルバイト・パート分野)
「サロ友」(美容分野)
「もしもCAR電」(自動車分野)
「ポータグルメ」(飲食分野)
▶詳細は株式会社リクルートホールディングスの「2019年のトレンド予測」