山々を背景に行われる「第30回火祭薪能」が5、6の両日、伊勢原市大山の大山阿夫利神社能楽殿で催された。事前に申し込んだ2日間計約2400人の観客は、夜のとばりの中、繰り広げられた演能を堪能していた。
夕闇が迫る会場では、大山狂言座による大山狂言の後、火祭神事が行われ、大山薪能実行委員長の目黒仁大山阿夫利神社宮司が演能開始を宣言。舞台の両脇に設けられたかがり火がたかれ、舞台が明るく浮かび上がった。
5日は観世流宗家の観世清和さんの能「翁(おきな)日吉之式」、山本則俊さんの狂言「福の神」など、6日は観世芳伸さんの能「吉野天人」、大倉流狂言の山本東次郎さんの「成上り」が演じられた。
また、6日には伊勢原市市制施行30周年を記念して、2001年に創作された能「道灌」の全編が50分にわたって演じられた。
目黒宮司は「天候にも恵まれ、皆さんに楽しんでもらえたのでは」と話していた。
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