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鉄道コラム前照灯(42) 急行八甲田と新幹線

神奈川新聞 | 2010年8月6日(金) 00:00

上野発の夜行列車といえば急行「八甲田」である。青函連絡船に乗り継ぐのが北海道旅行の定番だった。車内は出発前からもう北国だ。方言が飛び交うが内容はよく分からない。帰省する出稼ぎの人たちは東京土産をいっぱい抱えていた。誰が待っているのか。旅情を誘った北国行きの列車はもうない

▼北海道ワイド周遊券があれば急行の自由席は別料金なし。30年以上前の中高生に「八甲田」は頼もしかった。ボックス席で一晩を過ごすことだけが難点。ネットカフェのいす席を想像すればいい。青森に着くころは体中が痛い

▼「八甲田」を岩手で降り花輪線を撮影したことがある。八幡平のふもとを走る蒸気機関車8620を狙い鉄路を俯瞰する山に登った。夜行疲れで息が上がった。新幹線がない時代の東北は遠かった

▼いま秋田新幹線が気に入っている。東京から3時間の田沢湖、さらに路線バスで2時間。最近、八幡平南側にある秋田の秘湯蒸ノ湯を旅した。満天の星を仰ぐ辺地まで1泊2日で往復できる

▼その昔、高校のリポートで「全国新幹線鉄道網構想」を書いた。先生は、夢の計画の陰にある公共事業のばらまきにも注目しようと指摘した。新幹線は数々の名物列車や旅の情緒を消し去った。一方で、秘湯の癒やしをくれる。(O)

(2010年8月6日)

【神奈川新聞】

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