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藤沢の老舗映画館「フジサワ中央」閉館 シネコン急増余波

経済 | 神奈川新聞 | 2010年7月27日(火) 23:02

60年の歴史を持つ映画館「フジサワ中央」(藤沢市藤沢)が、8月末で閉館する。独立館として作品選びやサービス面で特色を出してきたが、シネコン(複合映画館)の急増で経営難に陥った。同館の閉館により、県内の独立館は横浜市内に数館を残すだけとなる。


8月31日閉館が決まった老舗映画館「フジサワ中央」=藤沢市藤沢
8月31日閉館が決まった老舗映画館「フジサワ中央」=藤沢市藤沢

フジサワ中央は1950年4月、藤沢駅近くの現在地に開館。86年4月に地下1階・地上5階のビルを建て、「フジサワ中央1」(3~4階、207席)と「同2」(地下1階、126席)の2館体制で営業してきた。

「かつては満席で立ち見もしばしば出たが、ここ3、4年は毎年約2割ずつ観客が減少している」と経営母体の藤沢映画興行。その理由として、同社は近隣の茅ケ崎、平塚、大和、海老名各市などにシネコンが進出したことを挙げる。

対抗策として、シネコンでは取り上げない無名の秀作を上映したり、母親が買い物中に子どもが一人で観賞できるようなアットホームなサービスも導入したりした。しかし、1館で8~10スクリーンを持つシネコンの“物量作戦”に対しては「焼け石に水だった」という。

同市では2007年3月、洋画中心の映画館「藤沢オデヲン」が72年の歴史に幕を閉じた。邦画中心のフジサワ中央は、洋画ファンも取り込むべく作品選びを工夫してきたが、観客維持はかなわなかった。

同社は「ビルのテナント料収入などで映画館の赤字補てんをしてきたが、もう限界。来年、JR辻堂駅前の湘南C―X(シークロス)にシネコンが開業すれば、致命的な影響を受ける」と、閉館を決めた事情を説明する。

 
 

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